2017年1月21日(土)「沈黙-サイレンス-」

SILENCE・2016・メキシコ/台/米・2時間42分(IMDbでは161分)

日本語字幕:フチ付き丸ゴシック体下、松浦美奈/字幕監修:川村信二/シネスコ・サイズ(フィルム、デジタル、Arri)/ドルビー・デジタル

(米R指定)

公式サイト
http://chinmoku.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

厳しいキリシタン弾圧下の日本で、ポルトガル人宣教師の音信が途絶える。そして唯一日本と交易が許されているオランダ商人経由で、高名な宣教師のクリストヴァン・フェレイラ神父(リーアム・ニーソン)が棄教し、日本人になったという情報がもたらされる。ポルトガルの教会は日本での布教活動を止めようとしていたが、フェレイラ神父の弟子のセバスチャン・ロドリゴ神父(アンドリュー・ガーフィールド)とフランシス・ガルペ神父(アダム・ドライヴァー)の2人は日本へ行かせてくれと申し出る。1640年、最後ということで許可を得た2人はマカオへ渡ると、漂着して日本へ帰りたがっていた自称キリシタンのキチジロー(荻窪洋介)という日本人を案内役にして密入国、長崎の海辺近くの隠れキリシタンの村に身を隠す。そこからフェレイラ神父を探そうとするが、長崎奉行・いのうえさま(イッセー尾形)の厳しい捜査の手が迫ってくる。

76点

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 うーむ、これは…… 厳しいキリスト教弾圧下の日本での布教活動に身を捧げたポルトガル人宣教師の半生……ということになるのだろうが、映画を見た印象は、言い方は悪いが「拷問ショー」という感じ。約3時間弱の間、これでもかと、むごたらしい非人間的な拷問の数々を見せつけられる。しかし日本ではなぜか年齢制限なし。IMDbでは評価が高く7.7点。

 演出も見事で、役者の演技もうまく、映像も世界観が完璧に作り上げられていて、リアルそのもの。ハッキリ言って胸糞が悪くなる。人間はここまで残酷になれるのか。感情的な部分はほとんどなく、冷静にためらいなく淡々と実行して行く怖さ。ちょっと「es[エス]」(Das Experiment・2002・独)と通ずるものがある気がした。

 なぜキリスト教を禁じるのかは触れられていない。ただ「自分の信じるものを他の人に押し付けるな」というようなセリフがあるだけ。そして「日本の風土には合わない」と。

 ポルトガル人宣教師の話でありながら、そこはハリウッド、基本的に英語。ポルトガル語として使われている。ただ日本語はかなりいい。よくある中国人や韓国人俳優のたどたどしい感じはまったくなかった。セリフがある日本人役はほとんどが日本人キャストのよう。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。この時点ですでに残りの席はわずかとなっていた。当日も残席わずかの表示で、20分前くらいに開場。観客層は中高年というより、高寄りで白髪が目立っていた。若い人もいたが、わずかだった。外国人の人も2人くらい。男女比は7対3くらいで男性が多かった。最終的に400席はほぼ埋まった。プレミアム・シートも女性3人いて満席。さすが話題作。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き「3月のライオン」は確かNHKでアニメを放送していたような。劇場版は実写で、天才少年棋士を描くらしい。みんなが泣いたり叫んだりしているドラマで、監督が「るろうに剣心」シリーズの大友啓史というのも意外だったが、最も驚いたのは、3/18と4/22公開の前後編になっているということ。うむむ。

 枠付き「LION/ライオン 25年目のただいま」は、なかなかタイトルが出なくてイライラしたが、5歳の時インドで迷子になった男性が25年後に故郷に帰るという実話の映画化。ニコール・キッドマンが出ている。4/7公開。

 枠付き「ラ・ラ・ランド」は新予告に。くびになったジャズ・ピアニストの男と女優志望の女の物語か。予告だけでも感動的ながら、実際の話だと結婚した後うまくいかず別れるパターンの気がするが、映画だから……2/24公開。

 枠付き「マリアンヌ」はブラッド・ピットとマリオン・コティアールの顔合わせ。第二次世界大戦時の話で、妻がドイツのスパイという話のよう。予告も感動的だが、監督がロバート・ゼメキスというのが気になる。2/10公開。

 枠付き「スノーデン」はあのCIAの暴露事件で有名な人の実話の映画化。監督はオリバー・ストーン。おもしろそうなんだけど、ちょっと微妙。1/27公開。

 映写機のマスクが広がり、フル・スクリーンのシネスコ・サイズになって本編へ。


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