計測方法のマニュアル

全て自己責任で行ってください。
当方が書いた計測方法で事故やトラブル等が起きても、当方は一切責任を負いません。

計測(比較)はとにかく同一環境下で行うことが大切です。
最低限下記のことを守ってください。

凸凹や勾配の無い直線で計測すること。
上り坂だと馬力が低く、下り坂だと馬力が高く出ます。

通常の乗車姿勢を維持したまま計測すること(伏せてはいけません)。
修正馬力の計算は通常の乗車姿勢の走行抵抗等を元に行います。その為、伏せることはむろん、加速中は体をむやみに動かしてはいけません。マネキンのように
同じ姿勢のまま必要以上にがっちりとニーグリップして最後まで加速してください。車体の安定を保つために、必要によりサスペンションやタイヤを堅めにセットしてください。

車体をバンクさせないこと。
バンクさせるとタイヤの円周長が変わってしまいますので、車体をまっすぐにしたまま計ってください。

クラッチを完全につないだまま、アクセルだけで加速させること。
半クラッチを使いながら加速すると正しく計れません。クラッチを完全につないだまま加速してください。クラッチが滑っている車両では正確に計測できません。

特定のギヤにチェンジを固定しておきます。
変速せずに同一ギヤのまま最後まで加速してください。モンキーのエンジンの場合は3速ギヤで測定することを強くお勧めします。ローギヤで測定すると勢いよく回転が上昇しますので、出力がクランクやタイヤを加速させる方に奪われてしまいます。補正精度を上げるため可能なら90km/h以下のギヤで計測を行ってください。※120km/h位までなら十分な補正精度はあります。150km/h以上は誤差が目立ち始めると思います。最高出力を正しく導くには2速ギヤが良いと思います。ただし、2速の場合は加速時間が短いのでデータのサンプル数も少なくなり、馬力曲線が波打ちやすくなります。3速だと馬力曲線が綺麗に出ますが、最高出力に多少誤差がでたりします(解析ソフトで”走行抵抗の加算”を”加算する”にチェックを入れた場合)。

できる限り低回転から高回転まで計測すること。

とにかくエンストすれすれの低回転からレッドゾーンまでを計測してください。8千回転から一万回転までといった中途半端な計測は馬力値を正しく計算できません。

ホイルスピンさせてはいけない。
ホイルスピンすると回転数が上がるため、正しい馬力が計算できません。

なるべく同一日にデータを計測する
たとえば、ノーマルマフラーで馬力測定を行い、その3日後に社外マフラーに付け変えて馬力測定をしたとします。この二つのデータを比較すると気圧や温度変化の影響を受けているので正しい比較が行えません。大きな改造の時は仕方ありませんが、なるべく同一日に測定しましょう。
前準備
マスキングテープなどでイグニションコイルにセンサを貼り付けます。センサには向きがあります。モンキーのイグニションコイルには横向きで貼り付けて下さい。


イグニションコイルの中央にセンサーケーブルの先端を貼り付けます。


センサーは横向きに取り付けしてください。

センサはイグニションコイルにしっかりと密着させてください。
※高回転で振動が出るとセンサーにノイズが入る場合があります。センサーが揺れないようにがっちりと固定してください。必要以上にテープを貼り付けると、センサーの感度が落ちるかもしれません(俺は必要以上に貼るが・・・)。



センサはイグニションコイル内に流れる電流の向きに影響されますので、モンキーのイグニションコイル場合は縦に取り付けてはいけません。



あとは必要に応じてケーブルをタンク等に補助止めしてください。



この計測器はモンキー以外には使用できません。
独り言ですが、他の車種に試すときはイグニションコイルに取り付けるセンサーの位置を独自に探ってください。ちなみに改造すれば一般的なプラグケーブルからの計測も行えます。もちろん自己責任で。
動作確認
エンジンをかけてから計測器の”POWER SWITCH”をONにして電源を入れます。

はじめに回転数が正常に計測できるか確認した方がよいので、”START BUTTON”を押して計測を開始してみてください。計測が始まると”RECORD”LEDが点灯しますので、それを確認したらエンジンを7000rpm位まで空ぶかしします。回転数が上がるにつれLED1〜LED4が順次点灯していくはずです。初期設定では

LED1 3000rpm以上
LED2 4000rpm以上
LED3 5000rpm以上
LED4 6000rpm以上

で点灯するようになっています。確認としてお使いのタコメータと見比べてみてください。アナログタコ(電気式含む)とは多少誤差がありますが、私の計測器は100%デジタルなので超正確(16ビット演算)です。温度の影響もほとんど受けないように設計しましたので誤差は数rpm〜数十rpm程度です。アナログタコは数百rpmの誤差が普通です(低回転ほど誤差が大きい)。

LEDの点灯に問題がなければ計測を終了しますので”START BUTTON”をもう一度押して下さい。”RECORD”LEDが消灯して計測がストップします。なお、今計測したデータは不要ですからフォーマットしてデータを削除してください。詳しくはハードマニュアルをご参照下さい。
計測開始
3速ギヤでの計測例です。


1.
エンジンをかけます。

2.
”POWER SWITCH”をONにして電源を入れます。

3.
”START BUTTON”を押して計測を開始します。計測中は”RECORD”LEDが点灯します。

4.
3速で走れる最低速度よりもすこし余裕のある速度まで普段通りに加速します。

5.
3速ギヤに固定して、クラッチを完全につなぎ、3速で走れる最低速度まで徐々に減速させます。エンスト寸前でフル加速を開始します。フル加速はレッドゾーンに到達するまで続けます。自分のもてる技量で最高の加速を行ってください。加速中はクラッチを切ったり、ギヤチェンジしてはいけません。※加速するギヤはレッドゾーンまで比較的ストレス無く回転が上昇できるギヤの方がよいです(軽く上昇しすぎるのも駄目です。適度にエンジンが苦しむ負荷がよいです)。とにかくよく考えながらいろいろ試してみてください。ノーマル車両なら2速、改造車は3速をお勧めします。※90km/h以下の速度域は比較的正確に補正がかかります。150km/h以上での計測は補正誤差が出てくると思いますのであまりお勧めできません。基本的に2速は最高出力が正しく出て、3速はシャーシダイナモのような馬力曲線が出ると思って下さい。※解析時ソフトのDFT設定で馬力曲線に波が出やすい時はギヤを1速分トップギヤに近づけて下さい。データ数が不足気味の可能性があります。

6.
加速終了後はアクセルをもどすなり、クラッチを切るなりしていつも通りに回転を落としてください。

7.
安全のため、停車後に計測を終了させます。停車したら”START BUTTON”を再度押して”RECORD”LEDの消灯を確認してください。消灯と同時に、ここまでの計測データが保存されます。


以上の繰り返しです。メモリが許す限り、49回計測が行えます。メモリがいっぱいになったらフォーマットしてデータを削除してください(そのまえにPCにデータ保存してね)。メモリ残量表示はありません。私のゴリラで大体4分前後計測できます。計測する回転数などにより計測可能時間は変わります。詳しくはハードマニュアルをご参照下さい。データをパソコンに移すにはソフトのマニュアルをご参照下さい。


※計測中、計測器のモードが勝手に”通常モード”に切り替わってしまうときは電池切れです。新しい電池に交換してください。