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〜 安心して心を開けるカウンセリングルーム 〜

カウンセラー コラム
萩原カウンセラー コラム

〜分かってほしい気持ち〜(2009年8月)

人は「分かってほしい気持ち」を必ずしも持っているのではないでしょうか。
実は、この「分かってほしい気持ち」は二つのタイプがあります。
それは「分かってほしい気持ち」を「目的」にするか「手段」にするかということです。

例えば、AさんはBさんにあることをされて酷く傷つきました。
BさんはAさんを傷つけるつもりは無く、いろいろな条件が重なり合って、結果的にAさんを傷つけたとします。

もしBさんが「分かってほしい気持ち」を「目的」にする人だとしたら、「傷つけるつもりは無かった」とか、「○○だったから結果的にそうなってしまった」とか「Aさんを傷つけてしまい、申し訳なく思っている」というように「BさんがAさんに伝えたい気持ちをAさんが分かってくれればいい」のです。

もしBさんが「分かってほしい気持ち」を「手段」にする人だとしたら、Bさんはその先に「許して欲しい」という「目的」があるとします。
BさんはAさんに「許して欲しい」から「分かってほしい」のです。
「許してもらえる手段」として、「分かってほしい気持ち」があるのです。
この場合、たとえAさんがBさんの気持ちを分かったとしても、まだ「手段」の段階ですから、BさんはAさんに許してもらわないと目標達成にならないので満足しないのです。

違いは分かりましたでしょうか?
あなたの「分かってほしい気持ち」は「目的」と「手段」のどちらのタイプだと思いますか?

もしあなたが「分かってほしい気持ち」を「目的」だと思っているのだとしたら、相手も同じだと思っていませんでしたか?
あなたが誰かの気持ちを「分かった」としても、その人はその先を求めているのかもしれません。
「分かってほしい気持ち」だけでは満たされないのかもしれません。
あなた自身の「分かってほしい気持ち」がゴールだと思っているのなら、相手が不服そうでもピンとこなかったと思います。

もしあなたが「分かってほしい気持ち」を「手段」だと思っているのだとした場合も同じです。
あなたが誰かの気持ちが「分かった」としたら、相手はそこで満足するかもしれません。
あなたが逆の立場だったらその先の欲求があるのに、相手はそれを求めてこない。
あなた自身の「分かってほしい気持ち」が途中段階だと思っているのなら、相手が満足したことにピンとこなかったと思います。

同じ「分かってほしい気持ち」でも、タイプが違うとこんなにも食い違ってしまうのです。
あなたの大切な人はどちらのタイプですか?
もし、あなたと違うタイプだとしたら、気持ちのズレを感じていたのではないでしょうか。

「分かってほしい気持ち」は「目的」「手段」の二つのタイプがあるということを、ここであなたは知りました。
あなたのタイプ、相手のタイプはどちらなのか認識できたでしょうか?
それを意識しておくと、相手の求めていることを把握しておけますし、事前に自分は何を相手に求めるのか伝えておくことも出来ます。
そのときうまく相手と感情のやり取りできなかったときても、後で冷静に考えてみて「あの人はこうして欲しかったんだ」とか「私はこうして欲しかったんだ」ということに気づけると思います。

これを知っているだけでも、人とより良い関係を築けると思いますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


〜愛されたい気持ち〜(2009年6月)

 頭なんか良くなくったっていい、君にはスポーツがあるじゃないか
 スポーツなんかできなくったっていい、君にはやさしさがあるじゃないか

これはある詩の一節です。
私はここまで読んだ時、正直がっかりしました。
なぜなら、私は成績が良かったわけではありません。
スポーツなんて、何をやってもできませんでした。
かといって、自分はそんなにやさしいわけでもないと思っています。
なんだか自分は中途半端で、認められていないような気がして悲しくなりました。

しかし、その詩には続きがあったのです。

 やさしくなくったっていい、生きているだけで十分だ

私はこの詩をずっと覚えていました。

人は大切な人から愛されたいとずーっと願っています。
そのためには大切な人を喜ばせなければいけない。
そのためには大切な人の期待に応えなければいけない。
そのためには大切な人を困らせてはいけない。
そのためには大切な人の気持ちを察してあげなければいけない。
そうしないと大切な人は自分を愛してくれない。

このように「○○な自分じゃないと愛されない、認めてもらえない」と人はとかく思いがちです。
これを「条件付の愛」と言います。

でもね。条件なんてなくったっていいのです。
先程の詩の最後の言葉にあったように、どんな自分であろうと愛される価値を人は持っているのです。
あなたの存在、あなたのありのまま、あなたがあなたである限り、それだけで十分なのです。
これを「無条件の愛」と言います。

たとえ大切な人を喜ばせなくても、
たとえ大切な人の期待に応えられなくても、
たとえ大切な人を困らせても、
たとえ大切な人の気持ちが解らなくても、
大切な人はあなたを愛してくれます。

そしてあなたもまた、大切な人を無条件に愛せます。
あなたは今、大切な人を無条件で愛していますか?
その人が今存在していることに感謝していますか?

あなたがもし「無条件に愛されるなんて信じられない」とお感じであれば、それが感じられないほどの経験や痛みや辛さを抱えてきたのだと思います。
もし条件付の愛にあなたが疲れているのだとしたら、カウンセリングを受けるというのも方法の一つです。
無条件で愛し、愛されることを感じてみませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


〜より良い人間関係を手に入れるために〜 (2009年4月)

「あなたの周りの人はあなたの思い通りにならない変な人しかいません」という講義を受けたときに私はハッとしました。
つまり私たちにとって理想の両親、兄弟、配偶者、恋人、友人、上司、先輩、同僚、後輩etc.は存在しないということです。
その人となりの価値観や環境や経験があるので、その人独自の世界観や理想を持っています。
他人がそれに100%当てはまるということはないということです。
つまり、誰もが誰かの「理想の人」にはなり得ないのです。

だからといって「相手に期待しない」「人とは分かり合えない」とガッカリすることはありません。
あなたは今まで誰かと思いが通じ合ったり、分かち合ったという「心が喜ぶ瞬間」を必ず経験していると思います。
よしんばあなたの答えが「全くない」だったとしても、忘れているだけかもしれません。
それは「忘れなければならない」とか「忘れたほうがいい」とあなた自身が意識・無意識に関わらず判断した結果と考えられます。
忘れたのにはそれなりの理由があるのです。

より良い人間関係を築くには、自分自身を知ることから始まります。
カウンセラーは、あなたの存在を受け止め、客観的に今まであなた自身が気づかなかったあなたを色々な角度から見つける手助けをしてくれます。
そこからたくさんの素敵なあなたをあなた自身が気づくことによって、今まで忘れていた「心が喜ぶ瞬間」を思い出すかもしれませんし、その理由に気づくかもしれません。
そしてこれからの「心が喜ぶ瞬間」をストンと感じやすくなるのではないかと私は思います。
そうなるとお互いが理想ではない他人同士でも分かり合えるところもあるという感覚が掴めることでしょう。

どこかで「理想の人は存在しないのだ」ということを頭の隅に置いておき、日頃から自分自身の感情を整理しておけば、より良い人間関係を手に入れられるのではないでしょうか。