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カウンセラー コラム
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萩原カウンセラー コラム

〜分かってほしい気持ち〜

人は「分かってほしい気持ち」を必ずしも持っているのではないでしょうか。
実は、この「分かってほしい気持ち」は二つのタイプがあります。
それは「分かってほしい気持ち」を「目的」にするか「手段」にするかということです。

例えば、AさんはBさんにあることをされて酷く傷つきました。
BさんはAさんを傷つけるつもりは無く、いろいろな条件が重なり合って、結果的にAさんを傷つけたとします。

もしBさんが「分かってほしい気持ち」を「目的」にする人だとしたら、「傷つけるつもりは無かった」とか、「○○だったから結果的にそうなってしまった」とか「Aさんを傷つけてしまい、申し訳なく思っている」というように「BさんがAさんに伝えたい気持ちをAさんが分かってくれればいい」のです。

もしBさんが「分かってほしい気持ち」を「手段」にする人だとしたら、Bさんはその先に「許して欲しい」という「目的」があるとします。
BさんはAさんに「許して欲しい」から「分かってほしい」のです。
「許してもらえる手段」として、「分かってほしい気持ち」があるのです。
この場合、たとえAさんがBさんの気持ちを分かったとしても、まだ「手段」の段階ですから、BさんはAさんに許してもらわないと目標達成にならないので満足しないのです。

違いは分かりましたでしょうか?
あなたの「分かってほしい気持ち」は「目的」と「手段」のどちらのタイプだと思いますか?

もしあなたが「分かってほしい気持ち」を「目的」だと思っているのだとしたら、相手も同じだと思っていませんでしたか?
あなたが誰かの気持ちを「分かった」としても、その人はその先を求めているのかもしれません。
「分かってほしい気持ち」だけでは満たされないのかもしれません。
あなた自身の「分かってほしい気持ち」がゴールだと思っているのなら、相手が不服そうでもピンとこなかったと思います。

もしあなたが「分かってほしい気持ち」を「手段」だと思っているのだとした場合も同じです。
あなたが誰かの気持ちが「分かった」としたら、相手はそこで満足するかもしれません。
あなたが逆の立場だったらその先の欲求があるのに、相手はそれを求めてこない。
あなた自身の「分かってほしい気持ち」が途中段階だと思っているのなら、相手が満足したことにピンとこなかったと思います。

同じ「分かってほしい気持ち」でも、タイプが違うとこんなにも食い違ってしまうのです。
あなたの大切な人はどちらのタイプですか?
もし、あなたと違うタイプだとしたら、気持ちのズレを感じていたのではないでしょうか。

「分かってほしい気持ち」は「目的」「手段」の二つのタイプがあるということを、ここであなたは知りました。
あなたのタイプ、相手のタイプはどちらなのか認識できたでしょうか?
それを意識しておくと、相手の求めていることを把握しておけますし、事前に自分は何を相手に求めるのか伝えておくことも出来ます。
そのときうまく相手と感情のやり取りできなかったときても、後で冷静に考えてみて「あの人はこうして欲しかったんだ」とか「私はこうして欲しかったんだ」ということに気づけると思います。

これを知っているだけでも、人とより良い関係を築けると思いますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


過去の萩原カウンセラーコラム


山本カウンセラー コラム

「こんなことしてちゃダメなのに」

最近、何人かの方からこの言葉を聴きました。
おもに、心の不調が何らかの症状としてあらわれている方々です。
一番辛い時期が過ぎ、ゆるやかに回復に向かっていて、
今は少しリラックスして、気分転換ができるようになっている時。
または、だんだん症状が悪化していくのを感じているのに、
目の前の日常を変えられない時。

「ほんとはこんなことしていちゃ、いけないんですけどね」と、
その方々は口にするのです。


本当は、「どんなことを」しなくちゃいけないと思っているのでしょう?
だいたいは、自分の状態が回復するための、「何か」。

一般的には、病院に行ったり、薬を飲んだり、
カウンセリングを受けたりしなくちゃと言われている。
もしくは、カウンセリングは受けているけれど、
もっと積極的に回数を増やしたり、もとすごいトラウマとかを
話したりしなくちゃいけないんだと思う。

今の自分の状態がすっかりよくなっていないのは、そういう、
自分が回復するための努力をしていないからなんだ、、、。


心が不調のサインを出している時なのに。
そして、「努力しなくちゃ」という呪縛が、きっとそこまで
心を追い詰めてしまったのに。
それでもまだ、「回復のためにがんばらなくちゃいけない」と
思ってしまうのですね。


「ウツになったら休まなきゃ」というのは、
単に疲れた身体を休めるという意味ではなく、
そのようなあらゆるプレッシャーから心を休めるのが必要、ということ。

ですが、「努力」を前提とする現実社会では、
それが受け入れられないこともあります。

療養中に旅行に行ったりすることに眉をひそめたり、
「さぼっているくせに遊んでいる」とあからさまに非難したり。
たしかに、心情としては理解できるものもあります。

ですが、本当に辛い時期は遊ぶこともとても負担なもの。
決められたことをやることはもちろん負担ですが、
自由もまた、とても苦しい。
何もない時間を自分でデザインして楽しめるのは、健康だからこそです。


でも、一番強くその「努力しなくては」というプレッシャーをかけているのは、
もしかしたら周囲ではなく、あなた自身かもしれません。
辛いときこそ、いつか誰かが「こうすべき」と言っていたことではなく、
なるべく自分自身の心の声を聴いてあげたいものです。

だって、その辛い心を一人で抱えてきたことだけで、
もう十分にがんばっているのだから。


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