2001年9月29日(土)「ブリジット・ジョーンズの日記」

BRIDGET JONES'S DIARY・2001・英・1時37分

日本語字幕翻訳:戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

〈イギリス15歳以下制限、アメリカR指定〉

出版社で宣伝部に勤める32歳、独身のブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルウィガー)は、両親や親戚、友人からも結婚しないことことあるごとに取り上げられ、うんざりしていた。そんなとき、パーティーで幼なじみだったバツイチの弁護士マーク(コリン・ファース)を紹介される。しかし堅物で面白みのない彼に興味を持てず、逆に会社のボスでプレイボーイのダニエル(ヒュー・グラント)に惹かれていく。

72点

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 ちゃきちゃきのテキサス娘、アメリカ人のレニー・ゼルウィガーが、イギリス資本のイギリス映画でイギリス人俳優たちを向こうに回して、(おそらく)大多数のイギリス人30代女性を代表するような役を演じた作品。ボクにはわからなかったが、ゼルウィガーは撮影当日、完璧なイギリス発音でスタジオに現れたという。

 ほかにもゼルウィガーはこの役を演じるため、6kgも体重を増やしたという。しかも、見ればわかるが、ギリギリのきわどい体当たり演技。いくら飾らない自然さが魅力のゼルウィガーで、役柄もそうだとしても、ここまでやっていいの? というほどの思い切り。また、だからこそ、テキサス娘でありながらこの役をゲットできたのだろうが。

 この赤裸々な感じは男性監督じゃないなと思ったら、やはり女性監督で、TVで活躍していたシャロン・マグワイヤという人。TV畑でドキュメンタリーを中心に活躍してきた人で、これが劇映画初デビュー作。年齢は不詳だが、30代くらいの感じ。

 映画のおもしろさに関わってくるので具体的には書かないが、この感覚は「ピアノ・レッスン(The Piano・1993・豪/仏/ニュージーランド)」(監督は女性のジェーン・カンピオン)に近いものがある。そして、全体の雰囲気は「フォー・ウェディング(Four Weddings and a Funeral・1994・英)」(マイク・ニューエル監督、ヒュー・グラント主演)に似ている。やはりイギリスという国の風土なのか。

 本作も含めて、現代を描いた最近のイギリス映画を何本か見ると、現在のイギリスの姿が見えてくる。「フォー・ウェディング」、「ロンドン・ドッグズ(LOVE, HORNOUR & OBEY・1999・英)」、「スナッチ(snatch・2000・英/米)」、ちょっと前の「リトル・ダンサー(BILLY ELLIOT・2000・英)」……などなど。やっぱり、ここでもカラオケが。ゼルウィガーの音痴なカラオケは、ファンにはたまらないかも。毎回違った(勘違いのも含めて)ファッションがまた魅力だろう。体型をシェィプするためのデカパン姿まで公開してくれているし。

 上司とやりとりするメールがmsnを使っているので、本作の公式サイトはmsnに作られている。出版社で使っているパソコンはiMacだけど。

 面白い。映画のパロディも随所にある。お色気も、カッコ良さも、笑いも、恋もある。ただし、こじんまりした話で、あえて劇場で見るべきか、難しいところではある。ただし、横長のシネスコ・サイズなので大画面でないと辛いのだが。また、セリフがあと録りらしく、ちょっと違和感があって、大画面だとより気になるのだ。

 公開2週目の初回、45分前に着いたら誰もいない。35分前になってオヤジ2人の中年カップルが1組。30分前に若い女性が並び、20分前に開場したときはどうにか20人ほどに。

 それから若いカップルや若い女性、オヤジが増えて男女比は4:6で女性の方が多くなった。ただし、狙いだろう20代後半から30代前半の女性客は5人くらいしかいなかった。下は女子中学生くらいから、中年を中心に上は老人まで。男性の方が年齢層は高い。

 最終的に指定席のない406席の4割しか埋まらなかったが、これはいい方なのか。例によってここもピントが甘め。サラウンド音声はわざとらしいくらいに回るが、かなり良好。


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