2001年12月15日(土)「スパイキッズ」

SPY KIDS・2001・米・1時28分

日本語字幕翻訳:石田泰子/ビスタ・サイズ(1.85?、1.66で上映)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
〈米PG指定〉


幼い姉弟のカルメン(アレクサ・ヴェガ)とジュニ(ダリル・サバラ)は、ある日突然、両親が何者かに拉致されてしまう。実は両親とも世界的なスパイで、「第三の脳」を探し求める悪の組織に連れ去られたのだ。すぐにカルメンとジュニにも追っ手が迫ってきた。否応なく、彼らは追っ手を逃れるため、そして両親を救い出すため、危険なスパイ戦の火中に飛び込んでいく。

70点

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 うーん。完璧な子供向き映画。「ハリポタ」といっしょ。大人にはちょっと辛い。ということは、ちょっとファミリー映画にするのもなあ。ほとんど害はないような気がするが。

 ロバート・ロドリゲス監督といえば、「デスペラード(Desperado・1995・米)」の激しいアクション・シーンで知られる人。「フロム・ダスク・ティル・ドーン(From Dusk Till Dawn・1996・米)」もかなりエグかったが、「パラサイト(The Faculty・1998・米)」もダークな作風で、どうやら本作はそれを覆そうとしたかのように、一見底抜けに明るい。何も考えていないかのような作品。「Uボート(Das Boot・1981・西独)」のウォルフガング・ペーターゼン監督が、子供に指摘されて「ネバーエンディング・ストーリー(Die Unendliche Geschichte・1985・西独)」を作ったようなものなのではないか、そんな気がした。

 ロドリゲス監督はこれまでの作品を見ていてもわかるが、大のギター好き。メイキングものの「フル・ティルト・ブギ(FULL TILT BOOGIE・1997・米)」を見てもよくわかる。演出するときもカメラの後ろでギター抱えているんだから。本作でも、カウチの上にさりげなくギターがおいてあったりする。

 出演者は、子供たち以外ほとんどロバート・ロドリゲス組総出演といった感じ。スパイの母親を演じる美貌のカーラ・グギノ(金髪の方が素敵)は「シカゴ・ホープ」などTVが多く「スネーク・アイズ(SNAKE EYES・1998・米)」がメジャーな作品でファミリーではないが、父親を演じる「デスペラード」アントニオ・バンデラス、その兄を演じる「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のダニー・トレホ、「パラサイト」のロバート・パトリック、コミカル歌手の「デスペラード」チーチ・マリン、果ては「フロム……」のジョージ・クルーニーまで。

 悪のボスはあのキレ方がたまらないアラン・カミング。「007/ゴールデンアイ(Goldeneye・1995・英)」で注目され、「プランケット&マクレーン(Plunkett & Macleane・1999・英/チェコ)」でオカマ系の貴族、シルベスター・スタローンの「追撃者(Get Carter・2000・米)」で別人のような演技を見せてくれた。本作ではコミカルで、むしろちょっと気弱なお人好しといった半悪役。

 こういう映画につきものの悪の科学者には、「ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest・2000・米)」の機関長を演じたトニー・シャローブ。悪役なんだけど、何か憎めないご面相。

 悪側の女性は、これまた美しいテリー・ハッチャー。「007/トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies・1997・米)」で悪の首領の奥方を演じていた人。そのボンド・ガール、ここでは頭に火がついて髪が半分なくなって、志村けんのギャグのようにハゲになるところまで演じている。いやあ、吹っ切れてるなあ。仕事とは言え、お見逸れしました。

 公開初日の2回目、30分前に劇場に着くと、ロビーにはほぼ半々の若い男女が15〜16人。下は小学生を連れたファミリーから、上は頭頂部の薄くなったジイさんまでかなり幅広いが、ほとんどは10代後半から20代前半のカップル。

 それほど混雑はしていなかったが、ちゃんと25分前くらいに列を作らせたのはエライ。まあロビーが狭いということもあるのだろうが。入場したら「スパイキッズ、スパイキッズ」と中途半端な元気さで歌う日本語の歌が流れていて、ガクッと膝が砕けた。

 最終的に、指定席なしの417席の4.5割ほどが埋まった。

 ドルビー・デジタルの機関車デモあり。入場プレゼントがあって、「ラキュー」という立体パズル型プロックをもらった。どうやら組み立てると、劇中登場する潜水艦「スーパー・グッピー」になるらしい。


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