OPEN MIND カウンセリングルーム

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交流分析(ゲーム)について
人と付き合う中で、「この人と話すと何だか後味が悪いなあ」と感じたことはありませんか?
これを「ゲームをしている関係」と考えてみましょう。
「ゲーム」と聞くと、楽しい遊びというイメージを持ってしまうかもしれませんね。
ここで表現するゲームは、相手との関係性にあるパターン(ルール)があり、そのゲームを仕掛ける側と仕掛ける側がいるのことによって成り立ち、繰り返されるものです。
そして自分達がゲームをしていることに気づいておらず、このゲームは何も生み出さず、前進せずにその場でグルグル回っている感じです。

このゲームはなぜ行われるのでしょうか?「ストロークについて」のページでも触れましたが、人とのかかわりに「ストローク」というものがあります。
人は相手にストロークを求め「プラスのストロークがもらえないのならば、マイナスのストロークでもいいから欲しい。とにかく0のストロークだけは避けたい」という気持ちがあります。
その気持ちがこの「ゲームを仕掛けてマイナスのストロークを得る」ということに繋がるのです。

あなたの周りにこのような人はいませんか?
1.相談されたので、相手にいろいろアドバイスするが、何を言っても「はい」と一旦受け止めるけれど「でも・・・」と否定をし続ける人。

2.相手のミスや弱いところにつけこんであげあしを取る人。

3.「私は〜だから〜できない」と言い訳する人。

4.相手にわざと嫌われるようなことを言ったり態度に出したりする人。

5.恩着せがましく世話をする人。


いかがでしょうか?
過去も含めたらこのような人に一度は会ったことはあるのではないでしょうか。
もしかしたら、あなた自身が「自分はこういう傾向がある」と思ったかもしれませんね。
それはそれで「自分が相手にゲームを仕掛けていることに気づいた」ということですから、大きな一歩だと思います。

この5つのタイプの方の背景や、このゲームに仕掛けられた場合どのようにそこから抜け出せたらいいのかお伝えします。

1のタイプの方は、アドバイスしてくれる人に対して「あなたの指示には従わない」「あなたに私の気持ちは分からない」と思っているかもしれません。
その人を軽く見ていたり、その人に依存している傾向があります。
ですからあなたがこのタイプ1の人にいろいろアドバイスすればするほど、このゲームにはまってしまうのです。
では、どうしたらこのゲームから抜け出せられるのかというと、アドバイスをするのを一旦止めて、「では、あなたはどうしたいの?」と相手の意見を聞くことです。
あなたは相手の話に共感しつつ、「でも、結局決めるのはあなただよ」という意識を持って、ストロークを投げかけてみてください。

2のタイプの方は、強いコンプレックスを抱え、それを相手に見せないようにするために、「強い自分」を表現しているのかもしれません。
より強く見せるため、従順な相手をターゲットにしてゲームを仕掛けているのでしょう。
厳格な父親が従順で素直な子どもを叱りつけるようなイメージです。
しかもタイプ2の方は、だんだんその場と関係ない過去のことまであげあしをとり、いつまでも攻撃を止めない場合もあります。
攻撃をされるほうはたまったものではないですよね。
では、どうしたらこのゲームから抜け出せられるのかというと、第一にそのような相手には理性を持って対応をしてみて下さい。
首をうなだれて「はい、はい」と素直に聞いていたら相手の思うつぼです。
「この人は自分を強く見せたくてこのようにゲームを仕掛けているのだな」と、今自分はゲームを仕掛けられていることに気づき、冷静に受け止めてみてください。
そして、その人との普段のかかわりから”あなたのことを認めていますよ”というストロークを投げかけてみてください。

3のタイプの方は、様々な言い訳を思いつき、「私は〜だから〜できません、だからそんな私を大目に見てください」と、厳格な父親タイプの人に対して自分の弱さをアピールしたり、助けを求めているかもしれませんし、「私は〜だから〜できません、だからそんな私を慰めたり温かい言葉をかけてください」と、やさしい母親タイプの人にたいして甘えたり、プラスのストロークを欲しがっているのかもしれません。
将来の不安より、今の不満を選んでいるのかもしれません。
では、どうしたらこのゲームから抜け出せられるのかというと、タイプ3の人にできない理由を挙げさせるのではなく、1つでもいいからそれができる方法を一緒に考えることが大切です。
可能な話を中心にもっていき、タイプ3の人の不安を1つずつ取り除いいくように心がけてみてください。

4のタイプの方は、「相手が自分なんか好きになってくれるはずがない」と心の奥底で考えていて、自分に対する評価が低いのかもしれません。
すぐに仕事を辞めてしまったり、好きな人と付き合ってもすぐに別れてしまうような方はこのタイプでしょう。
自分で自分が成功しないように仕向けているのです。
では、どうしたらこのゲームから抜け出せられるのかというと、自分自身を認めてあげること、自分を誉めることが大事です。
「自分の存在ははOKなんだ」という認識を持つことが必要なので、タイプ4の方にそのことを伝えてみてください。
タイプ4の人の話を否定せずにじっくり聴き、プラスのストロークを投げかけてみてください。

5のタイプの方は、人の世話を執拗にすることによって「相手をコントロールしたい、支配したい」と思っているのかもしれません。
その裏側には、「自分の存在を認めて欲しい、プラスのストロークが欲しい」という気持ちが潜んでいます。
もし、タイプ5の人がしてくれる親切が重荷に感じているのならば、「私はあなたが〜してくれるので助かります、しかし、〜は自分でやるので大丈夫です」というように、「私は」を主語にして自分の気持ちを伝えます。
そしてまず相手に感謝しているところはそれを伝え、この領域は必要ないという部分も併せて相手に伝えます。
自分の想いや考えていることを、しっかり相手に伝えてみてください。
もし、あなた自身がタイプ5であるのならば、「相手のためにやっている」のではなく、「自分がやりたいからやっている」ということを自覚してください。
相手にも気持ちがありますから、あなたがやりたくで相手にしていることでも、相手にとっては不都合な場合もあるということに気づいてください。
ですから、相手に自分が思っていたより感謝されなくても、断られたとしても、「自分の意思でやった」ことですので、相手を責めないでくださいね。

5つのタイプについて述べてきましたが、全てのゲームに共通するゲームからの脱却方法はこの3つです。
  • このゲームのやりとりに気づく
  • 深呼吸するなどして気持ちを安定させ、感情的にならずに冷静に対処する
  • 空気(場所、時間)を変える

ゲームを続けていたら気分がムカムカして後味が悪くなります。
後味の悪い人間関係はなるべく避けたいですものね。
いつゲームを仕掛けられるのか分かりませんので、日ごろから自分を安定させる、リラックスする方法を身につけておくことをお勧めします。