RuneQuest紹介

0. はじめに

更新履歴

2006-08-20
初期版を公開しました。
2006-08-31
追補の章を新設して「荷重と疲労」、 「ハウスルール: 対抗テスト」、「購入方法」、「RuneQuest SRD」、 「更新履歴」の各項目を追加しました。
2006-10-28
高い技能による対抗テストにLegendary Heroesの 追加ルールを記述しました。
2006-11-12
グラフの章を新設して「対抗テストのグラフ」を 追加しました。
更新履歴を先頭に移動しました。
2007-08-30
購入方法などを「0.はじめに」に移動しました。
荷重と疲労を「8.ダメージと治療」に移動しました。
2007-09-08
Player's Update に合わせて多くの修正を行いました。

Mongoose版RuneQuestについて

イギリスのマングース出 版(Mongoose Publishing)から2006年8月にRuneQuestの新しいバージョンが 出版されました。この記事では このマ ングース版のRuneQuestの内容を紹介したと思います。

博士: まずはおめでとう。RuneQuestが帰って来ました。 ルールブックの内容を単にレビューするだけでは味気ないので、こんな感じで 解説したり雑談したりするという趣向になりました。私は解説担当の「博士」と 申します。よろしくお願いします。

誠二: 博士って何の?

博士: グローランサ博士(自称)。グローランサの色々な文献を集めるのが趣味 ということで。今回はルールブックの紹介なので実はグローランサはぜんぜん 関係ないんだけど。

誠二: あっ俺は「誠二」です。単なるロールプレイング・ゲーマーです。 謎解きとか物語より戦闘が好きだったりします。以後よろしくです。

ゆき: そして「ゆき」です。 博士と誠二2人だけだと暴走が心配なので今回は突っ込み役ということで参加です。

誠二: 一番脱線する性格のくせによく言いうよな。 あと我々は架空の存在ということになっているので実在の某人物と名前が 似かよっていたり、言動が一致していたとしても、それは偶然といったら 偶然です。

RuneQuestの歴史

RuneQuestは1978年に アカリカのケイオシアム(Chaosium)社から 出版されてたロールプレイング・ゲームです。リアルな戦闘システムと グレッグ・ス タッフォード(Greg Stafford)によるグ ローランサ(Glorantha)という魅力的な背景世界を元に人気を博しました。

その後、版権がアメリアの アヴァロン・ヒル(Avalon Hill)社に移り、1985年に第3版が出版されました。 第3版はグローランサに背景世界を限定せずファンタジー世界汎用にデザイン されていましたが、ケイオシアム社とのライセンスの下、グローランサ関係の サプリメントも多数出版されていました。この第3版が 翻訳されてホビー・ジャパンから ルーンクエストとして日本語版も出版されていましたが現在では絶版になっています。

第4版としてグローランサに焦点をおいたRuneQuest Adventure in Gloranthaの 出版が予定されていましが、アヴァロンヒル社の方針変更により結局出版されま せんでした。その後アヴァロンヒル社はRuneQuest Slayersという、今までのも のとは名前しか共通点のないゲームの出版も計画しましたが、これも結局は 出版されませんでした。

アヴァロン・ヒル社がハズブロ(Hasbro)社に 買収されてD&Dの版権を持 つウィザーズ・オブ・ザ・コー スト(Winzards of the Coast)と一緒になったことなどにより 結局RuneQuestは絶版となり、アヴァロンヒル社はRuneQuestの商標も手 放してしまいました。この宙に浮いたRuneQuestの商標を獲得したのが、 ケイオシアム社から離れてグローランサ関係のゲームを出版するためにグ レッグ・スタッフォードが立ち上げたイ サーリズ(Issaries)社でした。

そして長い沈黙の期間の後、2006年8月にイサリーズ社との契約の下イギリスの マングース出版から新しくなったRuneQuestが出版されました。

誠二: とりあえず、ここには重要なことは書かれていない。

ゆき: いきなりそれか。新しいRuneQuestの第一印象は?

博士: (RQ2+RQ3+D&D3E)÷4といった感じだろうか。この÷3で なくて÷4というところが味噌ね。ルール的には大分洗練されて遊びやす くなっているけど、デヴェロップメント不足で粗が色々あるようだ。

グローランサ(Glorantha)について

グローランサはグレッグ・スタッフォードによって創造された架空世界です。 多くのファンタジー世界が中世や近世ヨーロッパをベースにしているのに対して グローランサは古代の神話と伝説の時代がベースになっており、豊かな神話 伝説と生活感のある人々の営みが共存する非常に魅力的な世界となっています。

グローランサはケイオシアム社から出版されたボードゲームの背景世界として 最初に世に出ました。その後同社のロールプレイングゲームRuneQuestの背景 世界として採用され、多数の熱心なファンを獲得しました。RuneQuest自体の 出版が止まった後も熱心なファンの手でファンジンが出版され続けるなど いまだに根強い人気を持っています。

グレッグ・スタッフォードはファンから寄付をつのりイサリーズ社を設立して グローランサを舞台にした全く新しいゲームHero Warsを2000年に発売しました。 このゲームは2001年にアトリ エサードから翻訳版 がヒー ローウォーズとして出版されました。Hero Warsはその後2003年に全面改版 されてHeroQuestと いう名前になっています。

今回マングース社から出版された新しいRuneQuestもグローランサ関係の サプリメント展開が予定されています。今までのグローランサを舞台したゲー ムは英雄戦争の時代と呼ばれるグローランサの第3期末に焦点があてられ ていましたが、新RuneQuestでは第2期の末期が舞台となるようです。

ゆき: 第2期ですよ。第2期。どんなのか想像もつかない。

誠二: そうか。第2期のグローランサだと我らが愛すべきルナー帝国はまだ 存在しないのか。

博士: 第2期というと神知者(God Learner)の帝国に、龍の友邦(Wyrms Friend)帝国。 どちらの帝国も謎だらけだからどこまで明らかになるるか、今から楽しみだね。 でも発売予定日がいつのまにか10月に延期されてたりする(しくしく)。

ゆき: 泣かない。泣かない。年単位で発売を延期したイサーリズのことを考えれ ば10月まで延期なんて、かわいいもんじゃないですか。

ルールブック

現時点(2006年8月)では基本ルールとなる "RuneQuest" のみが出版されており、 著者とゲームデザイナーはMatthew Sprangeとなっています。 装丁はA4版のハードカバーで表紙のイラストは石に刻まれた無限のルーンです。 中身は単色刷り128ページで、目次は以下の通りです。

導入2
冒険者の作成4
技能17
装備31
戦闘44
魔法62
カルト79
冒険84
冒険者の成長94
生き物105
索引123
ルーンとキャラクターシート125

ゆき: 内容的には盛りだくさんなんだけど少しページが足りない感じですね。

博士: 2006年9月に出版された上級ルールRuneQuest Companionと 合わせて一つのルールと考えるべきだよ。

誠二: 神性呪文(Divine Magic)とか精霊戦闘とか妖術(Sorcery)とか全部 上級ルールにあるのか。そちらも買わないと遊べないのかな。

博士: 上級の魔法がなかったりクリーチャが少なかったりするけど、 基本ルールだけでも一通りのルールがあるので遊び始めることができる 構成になっていけど、基本、上級、モンスターの合体本の出版も予定さ れているので今から買う人はそっちが良いかもしれない。

購入方法

Mongoose版RuneQuestを購入する方法について簡単に説明します。 近くに輸入ゲームとかを扱っている店がある場合にはそこに問い合わせてみる のが一番良い方法です。近くに店がない場合や扱っていない場合には Internetで通販を申し込むこともできます。

アマゾン: RuneQuest Core Rulebook

通販初心者にお勧めなのはInternet書店のアマゾン(amazon.co.jp)です。 アマゾンならば送料無料なので海外から通販するよりは比較的安く購入する ことができます。欠点としては在庫がない場合に海外からの取り寄せにかな り時間がかかったりキャンセルされてしまう場合があることです。

博士: アマゾンを利用している人は多いと思うけど、海外ゲームが買えるこ とを知らない人もいるかもしれないので一応。

誠二: アマゾンの通販サイトは非常によくできているので比較的安心して使えます。

ゆき: 手数料がかかるけど代金引換も選択できるのでクレジットカードを 持っていない場合でも購入できます。

Mongoose Publishing: RuneQuest - Main Rulebook

送料とか値段をあまり気にしないならばイギリスのMongoose Publishingから 直接通販で購入することもできます。

誠二: ここで購入する場合は確認やキャンセルなどはメールで行う必要があります。 簡単な英語のメールくらいは書けた方が良いでしょう。

ゆき: あと海外のサイトから購入する場合にはだいたいクレジットカードが必須です。

DriveThruRPG.com: Rune Quest

紙媒体の書籍ではなく電子媒体で欲しい場合にはDriveThruRPG.comよ り、Watermarked PDF版をダウンロード購入することができます。

ゆき: 誠二のようにいつもノートパソコンを持ち歩いている場合には、 PDFならハードディスクに入れておけば良いので余計な荷物になりませんね。

誠二: 英語が苦手な人でもPDFならば電子辞書や自動翻訳ソフトに コピー&ペーストしたりできるので翻訳に便利という利点もあります。

博士: 個人的には参照しやすさから言って書籍版の購入を推奨するけど。 価格はかなり安いので好きな人ならば。 あと電子版が欲しい人は次で説明するRuneQuest SRDでも十分かもしれない。

RuneQuest SRD

Mongoose PublishingはWizards of the CoastのD&D3Eにならって RuneQuestの基本ルールをOpen Contentにすることを宣言しています。

そのおかげでルールブックの大部分をSRD(System Reference Document)として 無料でダウンロードして読むことができます。新しいRuneQuestのルールに興味 がある人はまずはこれをダウンロードして参照してみると良いでしょう

Mongoose Publishing: RuneQuest SRD

元のリンクはわかり難いですが、Mongoose PublishingのRuneQuestのページ のFree Downloadsの中にあります。

誠二: ダウンロードしたzipファイルを展開すると各章ごとにMS-Wordのドキュメ ントのファイルになっています。MS-Wordを持っていない人はOpenOfficeとか フリーソフトを利用すると良いでしょう。PDFとかではなくて少し残念。

博士: 内容的にはサンプル部分などが省かれている以外はほぼ全てのルールが 入っている。

ゆき: クリーチャの中からブルー(Broo)とかも除外されいますね。

博士: グローランサ(Glorantha)関係はOpen Game Licenseの対象外だから。

Player's Update

RuneQuest基本ルールに対する修正ルールが Mongoose Plublishingから Player's Updateの名前で2007年7月に配布されています。ルールの重要な 変更がありますので必ず適用すべきです。下から PDF をがダウンロードできます。

Mongoose Publishing: Player's Update

ゆき: すなおにエラッタ(正誤表)と言えばいいのに。

誠二: エラッタというには根本の部分を大きく変更していますよ。

このルール紹介もPlayer's Updateに合わせて改訂していますので、 ルールブックと合わせて参照してください。

博士: えっと変更になったのは精神抵抗(Persistence)と肉体抵抗(Resilience) の上限、対抗テストのルール、高い技能の対抗テスト、魔法抵抗のルール、 受け(Parry)や回避(Dodge)のルール、ファンブル表の追加といったところかな。

ゆき: 表紙込みでたった7ページしかないけど重要変更ばかりですね。

誠二: もともとの基本ルールにあった致命的な欠陥を修正していて、 内容的にはかなり良いルールですね。

博士: この更新にはまた別の編集上の問題が紛れ込んでるみたいだけどね。

商標、著作権、リンクについて

Gloranthaはイサリーズ社の登録商標です。 RuneQuestはイサリーズ社の登録商標で、そのラインセスの下にマングース出版よ り出版されています。文章中のその他の商品名も一般に各社の商標や登録商標です。

この文書は個人的にRuneQuestを紹介することを目的に書かれたもので、マン グース社やイサリーズ社とは関係ありません。内容に関しては正確になるよ う努力はしていますが多くの間違いが含まれているものと思われます。著者 は内容の正しさに関して何の保証もしておりませんので各自で確認を行って ください。

このページの著作権は著者(alley-cats)にあります。ウェブページへのリン クに関してはもちろん自由に行っていただいて構いませんが、無断転載等は ご遠慮ください。

ゆき: 一応お約束ということで。

alley cats © 2006-2007. update: 2007-09-08 00:36:04+0900