RuneQuest紹介

2. 技能について

基本技能(Basic Skills)

技能(skill)は基本技能(Basic Skills)と高等技能(Advanced Skills)に区分されます。 高等技能は外国語とか治療とか変装とかの普通の人は持っていない技能なのに対して 基本技能は回避とか説得のように全ての人が最初から持っている技能です。 技能の初期値はいくつかの能力値を元にそれぞれ計算します。

誠二: RQ3にあった技能分野修正値はなくなった代りに基本技能と高等技能の 区分ができたということか。

博士: どちらかというとRQ3で基本成功率が00%だった技能が高等技能として 別扱いになった感じだよ。その上で技能分野修正値を廃止して計算を簡略化 している。

ゆき: 簡単になるのは良いことですね。技能の数もずいぶん少なくっているみ たいだけど。

高等技能(Advanced Skills)

全員が持っているわけではない特殊な技能で、それを身につけるには通常 長く困難な訓練が必要となります。技能を持っていない場合には全く試み ることができないか大きなペナルティを負って基本技能で代用します。

博士: 専門職用の技能や修得が困難な技能は高等技能として区分されている。

誠二: 初期値は00%ですか?

博士: そもそも最初は持っていなくてキャラクタシートにも何も書かれていな い。技能を修得して始めて能力値から計算した初期値がもらえる。

武器技能(Weapon Skills)

武器を使用するための技能です。近接武器の初期技能 は[STR+DEX]になります。 片手斧(1H Axe)、片手フレイル(1H Flail)、片手ハンマー(1H Hammer)、 片手剣(1H Sword)、両手斧(2H Axe)、両手フレイル(2H Flail)、 両手ハンマー(2H Hammer)、ダガー(Dagger)、ポールアーム(Polearm)、 レイピア(Rapier)、盾(Shield)、槍(Spear)、杖(Staff) の種類があります。

遠距離武器の初期技能は[DEX]になります。 吹き矢(Blowgun)、弓(Bow)、クロスボウ(Crossbow)、スリング(Sling) の種類があります。あと槍(Spear)やダガー(Dagger)などの近接武器技能を 武器を投げるのにも使用することができます。

誠二: えっと片手槍(1H Spear)と両手槍(2H Spear)の区別がなくなったのと、 モール(Maul)が両手フレイル(2H Flail)に統合されたくらいの違いかな。

博士: 大きな変化として攻撃(Attack)と受け(Parry)の区別がなくり同じ 技能値で両方に使えるようになった。また利き手じゃない方に武器を 持った場合でも-20%のペナルティを受けるだけで良く、RQ3みたいに別の 技能として鍛えなくても良くなった。

ゆき: 攻撃と受けの違いがなくなった分だけ鍛え易くなったのかな。

魔法技能(Magic Skills)

基本ルールに載っている魔法技能はルーン投射(Runecasting)だけで、この技能は ルーン魔法(Rune Magic)を投射(cast)するのに使用します。技能の初期値 は[POW+CHA]になります。 この技能はルーン投射(死:Death)、ルーン投射(水:Water)、 ルーン投射(混沌:Chaos)などのように対応するルーンごとに個別に取得/成長 させなければなりません。

博士: ちなみにこのルーン魔法というのはRQ2でいうルーン魔法(RQ3の神性魔 法(Divine Magic)相当)のことではなくて、RQ3の精霊魔法(Spirit Magic)に あたる魔法のことだ。ルールが変更になってPOW×5ではなく個別の技能で 投射するように変更になった。

ゆき: 一番基本的な魔法のことね。色々種類があるみたいだけど違いはあるの?

博士: 呪文ごとに対応する技能が決まっていて治癒(Heal)の呪文ならば 豊穰(Fertility)、検知(Detect)の呪文ならば真実(Truth)、 鋭き刃(Bladesharp)の呪文には金属(Metal)のルーン投射技能が必要になる。

誠二: 技能だからそれぞれ別に成長させなくちゃいけないわけだな。 武器とは逆に魔法は難しくなってるな。

ゆき: そういえば金属(Metal)というのは新しいルーンだね。

クリティカル成功(Critical Successes)

サイコロを振った出目が修正後の技能値の1/10以下だった場合にはクリティカル 成功と呼ばれ、特別に良い結果になったり、いつもより素早く実行できたりします。 武器攻撃でクリティカル成功した場合はクリティカル命中(Critical Hit)と呼ばれ 武器の最大ダメージを与えることができます。

誠二: クリティカルの発生頻度が2倍になってるけど、鎧は通過できなくなったのか。

博士: そう。あと効果的(special)成功もなくなって、貫通(impale)は 槍とかでクリティカル成功した場合に発生するようになった。

ファンブル(Fumbles)

クリティカル成功とは逆に振ったサイコロの出目が00だった場合はファンブル と呼ばれ、何か致命的な失敗をしたことになります。例えば近接武器で攻撃し ていた時にファンブルを振ると持っていた武器を落としたり自分を傷つけたり します。

誠二: ファンブルの発生確率は激減してるな。ファンブル表どこだろ?

博士: 基本ルールにはファンブル表が載っていないけどPlayer's Updateで 追加されているよ。

ゆき: また、お供のトロウルキンに足を切り落とされたりするのかな。危険ですね。

博士: なんで君はトウロルキンなんかお供に連れているんだ?

自動成功(Automatic Success)

技能の大きさや修正によらず振ったサイコロの出目が01〜05だった場合には自動的に 成功になります。

誠二: どんな無謀な行為でも05%の確率で成功するということなだ。ふむふむ。

博士: 何を考えているか予想もつかないけど、あらかじめ言っておくとGMは状況 によってこのルールを適用しなくても良いことになっている。私だったらそもそ もサイコロを振らせずに失敗したことにするから。

誠二: ちっ

自動失敗(Automatic Failure)

自動成功とは逆に振ったサイコロの出目が96〜00だった場合には自動的に失敗 します。技能が200%以上の場合には97〜00が自動失敗に、300%以上の場合に は98〜00が、400%以上の場合には99と00が、500%以上ならば00だけが自動失敗 になります。

ゆき: スキルがどんなに高くても自動失敗する可能性があるということですね。

博士: だから緊迫した場面では技能が高くても必ずサイコロを振って判定する。 逆にGMは状況によっては自動失敗のルールを適用しなくても良いけど。

対抗テスト(Opposed Test)

「対抗テスト」のルールはPlayer's Updateで更新されました。以下の文章は それに基づいて改訂していますので、ルールブック記載のものとは異ります。

お互いに技能を競いあったり、相手がやろうとしていることに技能で 対抗する場合には対抗テストを行います。例えば一方が隠れようとしており、 もう一方がそれを発見しようとしている場合には隠密(Stealth)と 知覚(Perception)で対抗ロールになります。対抗テストはそれぞれ 適切な修正を入れて両方が技能テストを行い以下の表で比較します。

技能テスト対抗ロールの結果
両方がクリティカル成功サイコロの出目の「大きい」方が勝利
片方だけがクリティカル成功クリティカル成功した方の勝利
両方が成功サイコロの出目の「大きい」方が勝利
片方が成功で片方が失敗成功した方の勝利
両方が失敗勝者なし

博士: きちんとした技能vs技能の判定ルールが入りました。 でも何で「大きい」方が勝ちなんだろう? 技能テストは基本的に小さい方が良い目のはずなんだけど。

誠二: 技能の大小がきちんと結果に反映されるようにだと思う。単に小さい方 が勝利だとサイコロの出目勝負になるけど。大きい方ならば技能が高い方が大 きな出目で成功すれば相手は対抗できないから。

ゆき: クリティカル成功した側が勝利するように変更になったんですね。 ハウスルールでそのようにしていた人も多いと思うけど。

誠二: あと両方とも失敗だった場合には無理に勝者を決めずに「勝者なし」に なりました。双方失敗した場合は現状維持といった感じで妥当なルールです。

博士: 競争とかで必ず勝者が決める必要がある場合はGM判断ということで。

高い技能による対抗テスト

「高い技能による対抗テスト」のルールはPlayer's Updateで更新されました。 以下の文章はそれに基づいて改訂していますので、ルールブック記載のものとは 異ります。

対抗テストにおいてどちらかまたは双方が100%を越える非常に高い技能を持っ ていた場合でも、通常の対抗テストと同じようにまずロールを行って結果を 判定します。

ロールの結果が「両方が成功」だった場合の判定方法だけが異なります。技能値が 100を超えている場合はサイコロの出目に「技能値が100を超えている分」を加えて 比較することができます。

ゆき: 技能が高い場合でも対抗ルールができるわけですね。

博士: はい。もともとルールブックにある技能半分で判定するルールはかなり 問題があったみたいだけど、この更新版は良いルールだと。足し算が少し面倒 かもしれないけど、双方が成功だった場合だけなので許容範囲だね。

ゆき: サプリメントのLegendary Heroesにもまた別の「双方が失敗した場合に はどちらかが成功するまで振り直す」という判定方法が載ってるみたいですね。

誠二: そのルールにも少し問題があったんで困ってたんですが、 このPlayer's Updateの方式で確率論的にもほぼ完璧なりました。

高い技能による対抗テストに関しては、それぞれのルールごとの確率を グラフにてグラフの章に載せていますので、そちらも参照ください。

援助(Assistance)

味方の技能テストを手助けしたり、何かを協力して成しとげようとした場合に は援助に使用する技能でテストを行い成功すれば技能値の1/10(端数切捨て)を 味方の技能テストへの修正として加えることができます。 どのような援助が可能か、また何人まで援助に加わることができるかについては 最終的にゲームマスタが判断します。

ゆき: これも応用範囲の広い便利なルールですね。

誠二: 失敗してもペナルティがないのでバシバシ援助するべきですね。

博士: ファンブルとかすれば足を引っぱたりするかもよ。

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