RuneQuest紹介

9. ルーン魔法

ルーン魔法(Rune Magic)

ルーン魔法はグローランサ(Glorantha)をはじめとする RuneQuest世界では 最も一般的な魔法です。ルーン(Rune)と呼ばれる魔法の力を使用して呪文を 投射します。

博士: このルーン魔法というのはRQ2の時のルーン魔法とは別もので、 RQ2の戦闘魔法(Battle Magic)、RQ3の精霊魔法(Spirit Magic)にあたる 魔法だよ。

誠二: 昔からのファンにとっては、ややこしい変更だなぁ。

ゆき: RQ3の精霊魔法は精霊の持つ魔法知識が源だったのに対して、ルーンの 魔力を源に魔法を使うよう変更になったんですね。

ルーン(Rune)の入手

ルーン魔法を使用するにはまずルーンを入手する必要があります。ルーンとは 魔術記号の刻まれた魔法的なアイテムで自然に産出します。たいては石ですが 樹皮や貝殻など他の自然のアイテムに刻まれている場合もあります。

ゆき: ルーンって簡単に入手できるの?

博士: そう簡単ではないよ。最初はルーンを見つけるのも冒険の目的の一つといえる。

ルーンと同化(Integration)

入手したルーンの力を引き出すためにはまずルーンと同化する必要があります。 同化をするためには精神抵抗(Persistence)に成功する必要があります。 これは1つのルーンにつき1人1回しか試みることができません。 成功した場合にはPOWを1ポイント支払いルーン投射(Runecast)技能と ルーニック・パワー(Runic Power)を入手することができます。

ルーンは同時に1人としか同化できません。一度ルーンと同化すると死亡するか 非常に特殊な魔法でなければ同化を解除することはできません。

博士: ルーンと同化したものを「ルーンを帯びし者(Rune Touched)」と呼ぶんだ。

ゆき: 同化するにはPOWを消費するのか。 たくさんのルーンと同化するのは難しいということですね。

誠二: それと敵の持っているルーンを奪うためには、さくっと殺して同化を 解除する必要があるということですね。ふむふむ。

ルーニック・パワー(Runic Power)

ルーンと同化することによりルーニック・パワーを獲得できます。 この効果はルーンの種類ごとに異なっており技能が上昇したり特殊な能力 を身につけたりできます。同じルーンのルーニック・パワーを複数獲得する ことはできません。

博士: 例えば交易(Trade)のルーンならば鑑定と知識(世界)の技能が+10%。 移動(Motion)のルーンならば移動力が1増える。 金属(Metal)のルーンならば金属製の武器のダメージが1増えるなどなど。

ゆき: 結構いろいろありますね。呪文を使わなくてもルーニック・パワーを 獲得するためにだけでもルーンと同化する価値ありですね。

ルーン投射(Runecast)技能

ルーン投射技能はルーンごとに存在します。 ルーンと同化するとにより自動的にその種類のルーン投射技能を 初期値[CHA+POW]で獲得します。 一度獲得すれば通常の技能のように成長させることができます。

博士: 例えば精霊(Spirit)のルーンと同化した場合は、ルーン投射(精霊)を 自動的に覚えることができる。

ゆき: 呪文の投射はPOW×5ではなく技能になったんですね。

誠二: 個別に鍛えなくちゃいといけないのか、いろいろ大変になってるなぁ。

ルーン魔法の学習

ルーン魔法の呪文を使用するには、同化しているルーンに対応した呪文を学習 する必要があります。可変(Progressive)呪文は強度(Magnitude)ごとに別の呪 文として扱います。このため治癒(Heal)4を覚えていたとしても、治癒1や治癒3を 使用することはできません。

ルーン呪文を覚えるには教師を探して教えもらう必要があります。学習には 強度(Magnitude)1につき1日かかかります。教えてもらう費用は強度1の場合 で100sp、強度が1上がるごとに2倍になります。

誠二: ルーンに対応した呪文って?

博士: 探知(Detect)だったら真実(Truth)のルーン。炎の刃(Fireblade)だったら 火(Fire)のルーン。というように呪文ごとに必要なルーンが決まっている。なか には複数のルーンが必要な呪文もあって例えば魔法解除(Dispel Magic)の呪文は 魔術(Magic)のルーンと混乱(Disorder)のルーンが両方とも必要になる。

ゆき: たくさんの呪文を覚えるにはたくさんのルーンと同化する必要があるとい うこですね。教師ってカルトでいいの?

博士: そうだね。魔法はたいていカルトで教えてくれる。 ただカルトの内の地位によって教えてもらえる呪文の強度が異なっていて、 平信者よりも入信者、入信者よりも侍祭の方が高いレベルの呪文を教えて もらえる。

誠二: 覚える呪文の数がINTで制限されるルールはなくなったみたいなので、 まずは低い呪文で覚えておいて地位が上がってお金も溜ってから高いレベルの 呪文を覚えるという風にすればいいかな。

ルーン魔法の呪文の投射

呪文を唱える際にはルーンに触れている必要があり、声を出せる必要があります。 ルーン魔法の呪文を投射する場合にはルーン投射技能をロールします。

ゆき: 複数のルーンが必要な呪文の場合はルーン投射技能はどれを使えばいいの?

博士: 呪文ごとにどの技能を使うか決まっていて、魔法解除ならばルーン投射(魔術) の方を使う。

投射に成功した場合には強度(Magnitude)分のMPを消費します。 クリティカル成功の場合には消費するMPが1だけ少なくてすみ呪文に対する 解呪(Dispel)やカウンター(Counter)に-10%ペナルティがつきます。呪文投射 に失敗した場合でも1MPを消費します。ファンブルの場合には強度分のMP全て を消費します。

誠二: 失敗してもMPを消費するので技能が低いうちは注意ですね。

博士: あと呪文を使用する場合には派手な音や光がでることが明記されたので、 周囲にバレないようにコッソリと呪文を使うことはできなくなった。

呪文への抵抗

「呪文への抵抗」のルールはPlayer's Updateで更新されました。 以下の文章はそれに基づいて改訂していますので、ルールブック記載のものとは 異ります。

魔法の呪文の中には「回避(Dodge)」、「精神抵抗(Persistence)」、 「肉体抵抗(Resilience)」などの技能による抵抗できるものがあります。 呪文投射技能と抵抗技能で対抗テストを行い抵抗側が成功した場合は 呪文の効果は発揮されません。

博士: もともとのルールブックに記載されているルールだと単純に 技能テストに成功すれば呪文無効だったのが、対抗テストに変更に なったために抵抗が難かしくなっています。

ゆき: 逆に言うと呪文投射の技能を伸ばせば伸ばすだけ呪文の確度が 上がるわけですね。

誠二: (POW獲得ロールはもらえないけど...)

戦闘中の魔法の投射

戦闘中に呪文を投射する場合には、その呪文の投射時間(Casting Time)分の 戦闘行動が必要になります。呪文を投射している間は移動力(Movement)の 半分の速さでゆっくりと移動する以外は何も行えません。

博士: 治癒(Heal)とかは1行動で唱えられるけど、鋭き刃(Bladeshap)の呪文 のように2戦闘行動以上必要な呪文も結構多い。

また敵に隣接されている時に呪文を投射しようとした場合はフリー 攻撃(Free Attack)を受けます。このフリー攻撃でダメージを受けたら 精神抵抗(Persistence)に成功しなければ呪文に失敗します。ルーンを落と したり中傷(Serious Wound)や重傷(Major Wound)を負った場合には呪文は 自動的に失敗します。

ゆき: 接近戦中に呪文を使うのは難しくなりましたね。

誠二: その分だけ奇襲が有効ということか。

呪文の消去(Dismiss)

自分の投射した持続(Duration)や永続(Permanent)の呪文は1戦闘行動を使用して 消去するこができます。持続時間が集中(Concentration)の呪文は戦闘行動を 消費しなくても集中を解くだけで消去できます。

ゆき: 自分のかけた呪文は魔法解除(Dispel Magic)の呪文とかがなくても、 いつでも自由に終らせることができるというわけですね。

誠二: 通常の呪文の持続時間ってどれくらいですか?

博士: 5分または10分で今までとほとんど変っていないけど、1ラウンドが 短くなったおかげで60ラウンドとかあるので戦闘中くらいならば十分保て るよ。

呪文を過充填(Overcharging)する

呪文にその強度(Magnitude)以上のMPを費やすことにより以下のように 呪文を増強することができます。

  • 解呪(Dispel)やカウンター(Counter)に対して増強したMP分だけ強度が 高いものとして扱います。
  • 呪文に対して抵抗(Resist)する場合1MPの増強ごとに-10%のペナルティ がつきます。
  • 持続時間がある呪文の場合は1MPの増強ごとに持続時間が1分増えます。

一方で投射は困難になり1MP増強するごとにルーン投射(Runecast)技能と投射 中にダメージを受けた場合の精神抵抗(Persistence)に-5%のペナルティを受 けます。呪文の投射に失敗した場合にも増強に使用したMPは全て消費されます。

ゆき: MPがいっぱいあっても技能が低いと過充填は困難なわけですね。

誠二: 効果はどれか一つを選ぶんですか?

博士: いや全ての効果が同時に適用される。逆に言うと持続時間だけを 延ばしたり、抵抗だけを難しくしたりはできない。

過充填(Overcharging)のルールはPlayer's Updateで一部更新されました。

抵抗可能な呪文で抵抗技能のロールに成功したけれどもダイスの目が 低かったために対抗テストに負けた場合には、過充填の効果が打ち消さ れて通常の呪文の効果のみ発揮されます。

魔法防御(Magical Defence)

魔法で攻撃された場合MPを消費して魔法に対する抵抗(Regist)を 高めることができます。抵抗可能な魔法ならば1MPを消費するごとに 抵抗に+5%のボーナスを獲得できます。 この魔法防御はルーンと同化していなくても可能です。

誠二: 気合で魔法に抵抗できるけど、MPが減るので使いどころを考えないと いけませんね。

ゆき: 魔法を使用しないキャラクタでも防御のためにMPはたくさんあった方が 良いわけですね。RQ3の MP vs MP と似てるけど、より良いルールな気がします。

マジック・ポイント(Magic Point)の回復

10時間ごとにPOW分だけMPが自動回復します。眠っているなど完全に休息 していれば5時間で全回復します。

ゆき: つまり一晩寝ればMPは全回復するんですね。

博士: 休息しない場合とかでも、MPの回復が速くなったので使える呪文の 数は多くなったと思って構わないよ。

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