RuneQuestII 紹介

7. 戦闘ルール

戦闘のイラスト

戦闘ラウンド(Combat Round)

1戦闘ラウンドの長さは5秒間です。この5秒間に各キャラクタは戦闘行動数(Combat Action)の行動を行うことができます。

博士: MRQ1 だと1ラウンドにCA分の行動とCA分のリアクションができたのだけど、MRQ2では行動とリアクションの合計でCA分になりました。

ゆき: つまり受けや回避をすると攻撃数が減るということですね。

誠二: 結構シビアですね。受けのために行動を残しておくかどうか悩まないといけない。

イニシアティブ(Initiative)

戦闘の開始時に各キャラクターは 1D10 を振ってストライク・ランク(Strike Rank)の値を足し、鎧ペナルティを引きます。これがイニシアティブになります。

イニシアティブが大きい順に1回づつ行動を行ないます。イニシアティブが同じ場合は同時に行動します。最後の人までまわると先頭に戻って次の行動を行ないます。戦闘行動数(CA)が残っていない人はスキップされます。全員の行動がなくなったら次のラウンドに進みます。

イニシアティブは戦闘の始めにのみ振って次のラウンド以降も同じ値を使い続けますが、途中で戦闘の状況が変化した場合にはゲームマスターが振りなおすよう指示する場合もあります。

誠二: ロールが毎ラウンドでなくて最近のD&Dと同じく戦闘の始めに1回だけに変更になってますね。

博士: 毎ラウンド振るのは面倒だったから、特に GM が。あとは同じイニシアティブの時が DEX 順だったのが同時行動に変更になってるから要注意だ。

戦闘スタイル(Combat Styles)

戦闘に使用する技能は同時に使用する武器等を合わせて戦闘スタイル(Combat Style)という技能で表されます。同じ剣でも〈片手剣と盾スタイル(Sword and Shield Style)〉、〈双剣スタイル(Two Sword Style)〉、〈両手剣スタイル(2H Sword Style)〉などの技能があります。

トリ: 〈片手剣と盾スタイル〉で盾が壊れた時とか、〈二刀流スタイル〉で剣が一本しかない場合とかはどうなるんだろう?

博士: その場合でも同じ技能で片側の剣だけ使うことができるよ。もちろん武器を二つ持つことによるメリットはなくなるけど。

両手武器(Two Handed Weapon)

両手武器を使用するためには〈両手剣スタイル(2H Sword Style)〉や〈両手槍スタイル(2H Spear Style)〉のような戦闘スタイルが必要になります。両手武器は同じストライクランクに受けと攻撃を同時に行うことはできません。

トリ: ルールブックの装備表にどの武器が両手武器かの記述がないんですけど?

博士: 記載漏れだね。まあRQプレイヤならば言われなくてもわかるとは思うけど、エラッタによるとグレートアックス、グレートクラブ、グレートハンマー、グレートソード、ハルバード、ロングスピア、ミリタリフレイル、ポールアックス、クォータスタッフが両手武器だ。

誠二: 両手武器はダメージが大きいのが良いですよね。

博士: ダメージ以外にも MRQ2 のルールだとサイズやリーチが大きなメリットになっているよ。

誠二: すばらしい。

盾(Shield)

盾を使用するにはそのための戦闘スタイルが必要になります。たとえば〈片手剣と盾スタイル(Sword and Shield Style)〉ならば片手剣による攻撃と受け、盾による攻撃と受けが同じ技能でできます。盾を持つことにより1ラウンドに1回その盾で追加で行動できます。またバックラー以外の盾は弓矢を受けるのにも使用できます。

ゆき: 盾を持つと通常の戦闘行動に加えて盾を使用して受けか攻撃が1回だけ可能になるんですね。

博士: あと弓矢を受けることができるのは盾だけで、普通の武器では弓矢を受けることはできないというのが非常に重要だ。

二刀流(Two Weapon Style)

両手にそれぞれ武器を持って戦うにはそのための戦闘スタイルが必要になります。たとえば〈双剣スタイル(Two Sword Style)〉ならば両手にそれぞれ剣を持って攻撃と受けができます。二つ目の武器を持つことによりその武器で1ラウンドに1回追加の行動ができます。ただし二つ目の武器はメインの武器より1段階小さいかSサイズでなればなりません。

誠二: 二つ目の武器を持つことで攻撃回数が1回増えるんですね。いいですね。

ゆき: 片手武器はMサイズだから、MサイズとSサイズ、または、SサイズとSサイズになるということですね。

博士: その通り、と言いたいところなんだけど、片手武器の中でヘビー・メイスがLサイズという例外があったりするんだよなあ。

誠二: ということは右手にヘビーメイス、左手にロングソードとかも可能ということですね。

博士: ルール上はそうだけど、ゲームバランスを崩すのでGMによってはハウスルールで禁止だろうね。というか私は禁止したい。

近接攻撃(Close Combat Attack)

近接攻撃を行う場合には自分のストライクランクに戦闘スタイルで判定します。防御側よりも高い成功段階だった場合には戦闘技法(Combat Maneuver)と呼ばれる追加効果を得るこができます。逆にファンブルした場合はファンブル表でロールしなければなりません。

相手が2段階以上リーチの長い武器を持っている場合には、短い武器では届かないため相手の身体にダメージを与えるとはできません。

ゆき: 戦闘技法(Combar Maneuver)って何ですか?

博士: 戦闘技法は鎧を無視したり、命中部位を指定できたり、ダメージを増やしたり、詳しくは次の章で説明するから。

誠二: リーチによって攻撃できないというのが凄いですね。相手がリーチLのグレートソードを持っていたら、リーチSのショートソードではダメージが出ないんだ。

博士: 短い武器を持つ側は戦闘オプションの踏み込み(Closing)を使用しないと届かないんだ。あとは戦闘技法の武器破壊や武装解除がでも対抗できるかな。

誠二: ロングスピアやハルバートはリーチVLか、ダメージも大きいし槍は有利ですね。

遠隔攻撃(Ranged Attack)

準備ができている飛び道具を持っている場合には近接攻撃と同様に武器スタイルで攻撃ができます。クロスボウや吹き矢以外の遠距離攻撃にはダメージ修正も適用されます。遠隔攻撃も防御側よりも高い成功段階だった場合には戦闘技法(Combat Maneuver)を実行できます。

武器の射程距離内ならばペナルティなしで攻撃でき、武器の射程の2倍までならば他の修正を適用する前に技能値を半分にして攻撃が行えます。

弓に矢を番えたりダガーを抜いたりするのには1戦闘行動(CA)を消費して武器の準備を行う必要があります。ライト・クロスボウ(light crossbow)を装填するには2戦闘行動、ヘビー・クロスボウ(heavy crossbow)を装填するには3戦闘行動必要になります。

博士: あとエラッタで遠隔攻撃中は戦闘行動を消費しなくても通常の半分の速度(人間ならば4m)移動できることになった。

誠二: MRQ1に比べて弓矢のダメージがほぼ半減していますね。RQ3に戻ったと言えばそうなんだけど矢を番えるのに戦闘行動が必要なので発射数が減っている分弱体化してますね。

博士: 弓矢は盾でしか受けができないんだけど、受けや避けをしないと事実上、戦闘技法が使い放題になるので弓はかなり脅威だよ。普通の成功で部位を指定したり貫通させたり。

ゆき: 盾重要ですね。

受け(Parry)

攻撃された場合にはリアクションで受け(Parry)を行うことができます。矢を受けるためには盾が必要になります。相手が攻撃ロールを行う前に受けを宣言しなければなりません。リアクションを行うと戦闘行動数(CA)が1回減ります。戦闘行動数が残っていない場合には受けは行えません。

受けに成功すると受けをした武器のサイズが攻撃側の武器と同じサイズかそれ以上の場合には全てのダメージを無効化します。攻撃武器のサイズが防御側より1段階大きい場合にはダメージが半分になります。防御側より2段階以上大きい場合にはダメージは減少しません。

ゆき: 武器の大きさによって受けに成功してもダメージ減らないんですね。

誠二: まあグレートソードをダガーで受けてもほとんど意味がないというのは前からですね。

博士: MRQ2 だと受け側にも戦闘技法があるので小さな武器でも受けをするのは重要だよ。RQ3 や MRQ1 よりも受けの重要度は高いと言ってよい。

攻撃と受けの成功段階を比べてより大きな成功段階の方には戦闘技法(Combat Maneuver)と呼ばれる追加効果が得られます。ただし失敗やファンブルどうしの場合には戦闘技法は行えません。

戦闘技法攻撃側
クリティカル成功失敗ファンブル
防御側クリティカル防御側に1回防御側に2回防御側に3回
成功攻撃側が1回防御側に1回防御側に2回
失敗攻撃側が2回攻撃側が1回
ファンブル攻撃側が3回攻撃側が2回

誠二: なるほど。受けは対抗判定ではなくなったんですね。

博士: そうだね。どちらがより高い成功段階を出すかが問題になっているけど、同レベルの時のダイス目は関係ないので。それから受けをしない場合やできない場合には受け失敗扱いで相手が戦闘技法が行えるので注意だ。

ゆき: 技能が 100% 超える場合はどうなります?

博士: その場合は対抗判定と同じように100%を超える分が相手の技能へのペナルティとして扱われるよ。

受けのキャンセル

リアクションによる受けを宣言した後でも相手が攻撃判定に失敗やファンブルした場合には、受け判定ロールをせずにキャンセルすることができます。その場合には戦闘行動数(CA)は減少せずに済みます。一方で戦闘技法を得る目的で受けを続行することもできます。

博士: 受けがキャンセルできるのは、あくまで攻撃側が失敗した時だけで、攻撃が成功している場合には中断できないので間違えないように。

誠二: 受けがキャンセルできるというのは戦術的に非常に大きいですね。相手が攻撃を失敗した場合には受けをキャンセルしてその分の行動を攻撃にまわすことができる。

トリ: 攻撃に失敗すると即ピンチということか。大変だ。

避け(Evade)

攻撃を受けた場合にリアクションで受けではなく避け(Evade)を試みることもできます。攻撃判定に対して〈避け(Evade)〉技能で対抗判定(Opposed Test)を行ない勝利した場合には全てのダメージを無効化できます。

さらに受けと同じように避け(Evade)を相手よりも高いレベルで成功すれば戦闘技法(Combat Maneuver)を行うことができます。

避けを試みた場合にはそれに成功したか失敗したかによらず、体勢を崩しているため次の順番の行動には「攻撃(attack)」を選択できません。転倒していたり移動が自由にできない場所では避けは実行できません。

ゆき: 避け普通に対抗判定なんですね。

博士: そうだね。同じ成功段階の場合にはダイス目が大きい方が勝利する。受けと比べると一か八かになるなあ。

誠二: それより避けをすると次の行動で「攻撃」ができないというのは厳しですね。

博士: 受けと違って武器の大きさなどの制約がなく全ダメージを無効化できるかわりに基本的に次の攻撃ができなくなる仕組みみたいだ。

トリ: 「基本的に」ということは例外有りですか?

博士: 戦闘技法が取れれば何とかなるかな

受けや避けの事前宣言

リアクションではなく自分の順番において戦闘行動を使用して事前に受け(Parry)や避け(Evade)を宣言することもできます。一度宣言すると変更できず次のストライク・ランクまでに受けや避けをしないとその行動は無駄になります。

ゆき: リアクションではなくて通常の行動として受けを宣言するということですね。これって意味があるんでしょうか?

博士: 自分の順番がまわってきた時に「何もしない(No Action)」を宣言すると行動が1回無駄になる。事前に「受け(Parry)」や「避け(Evade)」を宣言するとその無駄になるはずの行動を防御にまわせる可能性があるというのが利点だね。

誠二: それだと「遅延行動(Delay)」を宣言して行動を遅らせた方が良くないですか。それだと受けもできますし、他の行動に変更もできる。

博士: 行動の遅延では SR 0 までしか遅らせることができないが、受けや避けの宣言は次の自分の順番まで持続する点が違ってるんだ。どっちが有利かは状況によるかなぁ。

ノックバック(Knockback)

受けや鎧によって減少する前の武器のダメージが、防御側の SIZ を超えている場合はノックバックが発生します。ただちに〈運動(Athletics)〉判定をして成功しないと転倒します。またダメージが SIZ を超える5ポイントごとに 1m 押し戻されます。

誠二: 武器ダメージやダメージ修正が小さくなっているので RQ3 ほどはノックバックされないかな。

トリ: 平均 SIZ 5 のダックなら、余裕でノックバックです。

博士: MRQ1/MRQ2 ではダックの SIZ は 1D6+6 に増えてるよ。挿絵の凶悪ダックは伊達ではない。

ゆき: あっ本当だ。トロウルキンと一緒だ。ダックのくせに生意気ですね。

博士: ちなみにドワーフ/モスタリの SIZ も 1D6+6 に増えてるよ。

攻撃/受け判定の流れ

攻撃判定の流れをまとめると以下のようになります。

1. 攻撃側は攻撃の対象を宣言する
2. 防御側は受けをするかどうかを宣言する
3. 攻撃ロールを行う
4. 攻撃判定が失敗だった場合には防御側は受けをキャセルするかどうかを宣言する
⇒ キャンセルした場合は、影響無しでここで行動終了
5. 受けロールを行う、受けをしない場合には自動的に防御失敗扱い
⇒ 攻撃側と受け側の双方が失敗していた場合には、影響無しでここで行動終了
6. 攻撃と受けの成功段階を比べてどちらが何回戦闘技法が使えるかを確認する
7. 使用する戦闘技法(Combat Maneuver)を宣言する
⇒ 攻撃側が選択した戦闘技法によっては、その結果を判定して行動終了
8. 命中部位ロールをし、武器のダメージとダメージ修正をロールをする
9. 受けに成功していれば受けのダメージを減少を適用する
10. 鎧によるダメージ減少を適用する
11. 命中部位へのダメージと、ノックバックの効果を適用する

トリ: うーん、ややこしいですね。

ゆき: 攻撃の結果を見て受けがキャンセルできることを忘れないようにしないと。

博士: あとは命中部位やダメージをロールするのは戦闘技法(Combat Maneuver)を決定した後ということが重要だ。

誠二: 攻撃や防御の時にダイスを同時に振ることができないので、戦闘のテンポが少し悪くなりそうですね。

alley cats © 2010. update: 2010-08-21 17:16:20+0900