RuneQuestII 紹介
14. 精霊魔術(Spirit Magic)

精霊歩き(Spirit Walking)技能 [POW+CON]
精霊界(Spirit Plane)の存在に気付く技能です。POW m 以内にいる精霊に気付くことができます。この技能には呪術伝承によるさらに高度な使用方法が隠されており、精霊信者(Spirit Worshipper)になると精霊との交渉に使用することができます。さらに呪術師(Shaman)になるとこの技能で精霊界に入って旅をすることができます。大呪術師(High Shaman)になると精霊界への旅に他者を同行することができます。
トリ: 精霊信者(Spirit Worshipper)って何ですか?
博士: HeroQuest等から輸入された専門用語で、精霊カルトの入信者レベルだと思ってください。MRQ2 だと呪術師(Shaman)が侍祭レベル、大呪術師が司祭レベルみたいです。
ゆき: 一般の人には精霊に気付くだけの技能だけど、呪術師にとっては精霊界を旅行する技能ということですね。
誠二: この技能を持っていないと目に見えない精霊からいきなり攻撃を受けたりするわけですね。脅威だ。
精霊呪縛(Spirit Binding)技能 [POW+CHA]
この技能により精霊を呪縛したり命令したりできます。またそのために精霊戦闘を行う技能として使用します。精霊を呪縛するには精霊戦闘で精霊の MP をゼロにする必要があります。呪縛できる精霊の強さはこの技能のクリティカル値の3倍の POW までになります。
博士: 名前は呪縛(Binding)だけど実際には精霊戦闘技能と思ってくれ。この技能によって精霊戦闘の成功率とダメージが決まる。あと強力な精霊を呪縛するにはこの技能が高くないといけない。
ゆき: クリティカル値の3倍って判り難いんですが...
博士: 具体例でいうと例えば技能が57%だとすると、クリカティカル値は6だね。この場合は呪縛できる精霊の POW の上限はその3倍の 18 までということになるんだ。
誠二: つまり技能 10% ごとに POW 3 までの精霊を呪縛できるということですね。そう書けば良いのに...
同時に保持できる呪縛精霊の数は精霊カルト内での地位によって決まります。追従者(Follower)は CHA の 1/4 まで、精霊信者は CHA の 1/2 まで、呪術師は CHA の 3/4 まで、大呪術師は CHA までの呪縛精霊を保持できます。
博士: ここでの追従者(Follower)というのは精霊カルトの平信者のことだ。
トリ: 追従者とか精霊信者だと精霊を捕まえるのは無理じゃないですか?
博士: 呪縛精霊は自分で捕まえなくて他の人が呪縛したのを貰うこともできるので、主に呪術師に捕まえてもらうことになるかな。
魔精(fetch)
呪術師(shaman)になるためには危険な儀式により守護霊としての魔精(fetch)を見い出さなければなりません。その方法は精霊カルトごとに異っています。
ゆき: 今回は呪術師と魔精のルールが基本ルールに載っていますね。嬉しいな。
誠二: 前はカルト本を見ないと載ってなかったよね。
魔精は INT, POW, CHA のみ能力値を持ちそれぞれ 2D6+6 の初期値を持ちます。魔精の移動速度は飛行で 20m です。また以下の技能を持っています。魔精は最初 200 技能ポイントを配分して作成します。呪術師は自分の成長ロールで魔精を成長させることができます。
共通技能 | 初期値 |
---|---|
共通魔術(Common Magic) | POW+CHA |
説得(Influence) | CHA×2 |
洞察(Insight) | INT+POW |
知識:呪術伝承(Shamanic Tradition) | INT×2 |
知識:精霊界(Spirit World) | INT×2 |
知覚(Perception) | INT+POW |
精神抵抗(Persistence) | POW×2 |
精霊用の高等技能 | 初期値 |
非実体化(Discorporate) | INT+POW |
幽体戦闘(Spectral Combat) | [POW+CHA] |
魔精は生命感知(Life Sense)〉、魔法感知(Magic Sence)、憑依(Possession)の特殊能力を持ちます。呪術師が魔精を持つ利点として以下のようなものがあります。
- 魔精と呪術師は精神的に繋っており思考や感覚を共有できる
- 精霊や魔術のオーラを見ることができる
- 魔精と呪術師は互いに MP のやり取りができる
- 魔精が精霊の攻撃から護ってくれる
- 呪術師が精霊界を旅している間、魔精が憑依して肉体を護ってくれる
誠二: あいかわらず魔精(fetch)は強力そうですね。
ゆき: 魔精のおかげで呪術師になると一挙にできることが増えますね。
トリ: 〈非実体化(Discorporate)〉技能って何ですか。魔精は元々肉体持たないですよね?
博士: 後の精霊戦闘のとこで説明があるけど、相手の肉体から魂を抜き出して霊体化させる技能。こうするとにより肉体を持つ相手に精霊戦闘をしかけることができる。
呪縛した精霊の使用
精霊魔術では呪文を使用しないかわりに呪具(fetish)に呪縛した精霊を呼び出して使用することができます。精霊を呼び出すには 1戦闘行動(CA)が必要です。呼び出された精霊は通常は目に見えませんが〈精霊歩き(Spirit Walking)〉技能や魔術で見ることができます。精霊は使用者の POW m 以内を移動できます。
呼び出された精霊に命令するのに戦闘行動(CA)は必要ありませんが、1 MPの消費と精霊に命令を正確に伝えるために〈精霊呪縛(Spirit Binding)〉技能の判定が必要になります。判定に失敗すると敵対的な精霊は襲ってくる場合があります。〈精霊呪縛〉技能の限界をを超える POW を持つ精霊への命令は失敗します。精霊は呪縛した呪具に自動的に呼び戻すことができます。
ゆき: 呪縛した精霊を呼び出して色々してもらえるわけですね。
トリ: 色々って具体的にはどんなことができるんだろう?
博士: その辺は精霊によってマチマチだな。普通に敵を精霊戦闘で攻撃させることもできるし、元素の精霊とかならば物理的な攻撃もあるかもしれない。祖先の霊とかだと呼び出して質問したり、自分に憑依してもらってそのマスタークラスの技能を使ってもらうとかもできます。
誠二: 剣の達人の先祖を呼びだして自分の代りに戦闘してもらったりもできるんだ。
博士: できます、そういう人が先祖にいればね。他にも自然の精霊だったら、その性質によってHPや移動距離などの属性値を増やしたり、技能をブーストしたり、戦闘技法が自動発動したり、動物や植物の精霊ならばその種の動物を支配したり特殊な能力を与えてくれたりします。
ゆき: ほんと何でもありですね。精霊を事前に呪縛するのに手間がかかるけど、もの凄く応用範囲が広そうですね。
博士: どんな精霊が呼べて何ができるかはカルト等によって異なるのでゲームマスターに相談してください。
精霊の属性値
精霊や精霊界にいる呪術師は肉体を持たないため属性値を異なった方法で計算します。
戦闘行動数(CA) | INTとDEXの平均ではなく、INTとPOWの平均を元に算出します。 |
ストライク・ランク(SR) | INTとDEXの平均ではなく、INTとCHAの平均になります。 |
ヒット・ポイント(HP) | HPは持っていません。MPが代りになります。 |
博士: 精霊は通常 STR, CON, DEX, SIZなどの肉体的な能力値を持たないので。
誠二: 精霊の SR の計算が MRQ1 から変更になってますね。前は INT+CHA の合計だったのが、普通に INT と CHA の平均になってます。
精霊戦闘(Spirit Combat)
精霊戦闘は通常は精霊界においてのみ行われ、精霊や呪術師の間で戦われますが、病の精霊や肉食獣の精霊などは一部の精霊は〈非実体化(Discorporate)〉技能を使用して物質界にいる標的の肉体から魂を抜き出して精霊戦闘をしかけることができます。
博士: 今回はまともな精霊戦闘のルールがありますね。
トリ: 前はどうしてたんでしったけ?
ゆき: ふつうに戦闘技能で魔法の剣とかダメージ修正で精霊をど突きあってました。今回は普通に精霊どうしの戦闘っぽいですね。
誠二: 見えない精霊がいきなり近付いてきて、いきなり精霊戦闘をしかけてくることもあるのか。非実体化技能は怖いですね。
精霊戦闘は通常の戦闘と同じ SR 進行で並行して行われます。戦闘には精霊の持つ〈幽体戦闘(Spectral Combat)〉技能を使用します。精霊魔術師の場合は〈精霊呪縛(Spirit Binding)〉技能を使用します。精霊呪縛の技能を持っていないキャラクタは〈精神抵抗(Persistence)〉技能の半分の値で代用できます。
誠二: 精霊魔術師以外は〈精神抵抗〉の半分で戦うことになるか。かなり厳しですね。
ゆき: 対精霊用の呪文を取得してないとヤバそうですね。
戦闘は攻撃側と防御側の精霊戦闘技能での対抗判定(Opposed Test)を行います。攻撃側が勝利した場合には技能値に応じたダメージを相手の MP に与えることができます。
精霊戦闘の技能 | MPに与えるダメージ |
---|---|
01%-20% | 1D2 |
21%-40% | 1D4 |
41%-60% | 1D6 |
61%-80% | 1D8 |
81%-100% | 1D10 |
101%-120% | 2D6 |
121%-140% | 2D8 |
攻撃により MP がゼロになった場合は憑依(Possesse)、呪縛(Bind)、除霊(Exorcise)、消散(dissipate)することができます。霊体化した人物が消散させられた場合には魂が破壊されて肉体は死亡します。
誠二: 70% 技能だとダメージ 1D8 か、RQ3 よりダメージ大きいですね。
博士: 精霊戦闘の MP ダメージは鎧等で減少できないの危険だね。
トリ: それで負けたら憑依または即死ですか。精霊戦闘は怖過ぎです。
博士: MRQ1 と違って MP がゼロにならないと憑依されなくなったんで少しはマシ
支配憑依(Dominant Posession)
精霊が肉体の支配権を奪った状態です。憑依された者は何が起きているか気付いていますが自分では何もできません。憑依者は肉体の記憶や技能や魔法を使うことはできず自分のものを使用します。支配憑依に気付くには〈精霊歩き(Spirit Walking)〉技能や魔法的視覚があれば〈知覚(Perception)〉技能に成功する必要があります。
ゆき: 精霊に乗っ取られている状態ですね。
誠二: 自分では何もできないところが辛い所ですね。
博士: 友好的な精霊に憑依してもらってその技能を使うとかもできるそうだ。
潜伏憑依(Covert Possession)
精霊に憑依されていますが隠れていて表に出ていません。標的は完全に自分の身体を制御しており憑依には全く気付いていません。憑依している精霊は夜中に寝ている時の身体を支配したり、病や呪いを与えたりします。この効果は通常の治癒や魔術で回復させることはできません。
潜伏憑依している精霊に気付くには〈精霊歩き(Spirit Walking)〉や魔法的視覚があれば〈知覚(Perception)〉技能で、精霊の〈隠密(Slealth)〉技能に対抗判定して勝利する必要があります。
ゆき: こっちは精霊に棲みつかれている状態ですね。
誠二: 知覚できないのでこっちの方がやっかいなことが多いよね。特に病気の精霊ばやばいです。
憑依からの解放
憑依した精霊を取り除くのは非常に困難で自分で憑依を除くことはできません。別の誰かに精霊戦闘により除霊(Exorcise)してもらうか、精霊を取り除く特別な魔術が必要になります。もちろん憑依している精霊は肉体に呪縛されているのではなければ自分から離れることができます。
ゆき: 精霊戦闘で除霊できるようになりました。良かった。
誠二: 除霊用の精霊を入手しといた方が良いですね。
博士: RQ3 と違って精霊の命令に〈精霊呪縛(Spirit Binding)〉技能が必要なので、精霊魔術師でないと意味がないけどね。
誠二: ええーー。