RuneQuestII 紹介
13. 妖術(Sorcery)

妖術(魔導書)/Sorcery(Grimore)技能 [INT×2]
〈妖術(Sorcery)〉技能は魔導書ごとに別になっており、〈妖術:黒き大蛇の書〉、〈妖術:聖ガーラントの生涯〉のように別々の技能になっています。魔導書には一つの呪文しか書かれていないこともありますが多数の呪文が書かれている場合もあります。
妖術の呪文の成功判定には〈妖術:魔導書〉技能を使用します。またこの技能により唱えた呪文の威力(effect)が決まります。
博士: 妖術も呪文ごとに個別技能を取得する必要はなくなりました。複数の呪文をまとめた呪文書ごとに技能として取得します。
ゆき: HeroQuest と同じ処理になったんですね。
トリ: 呪文の威力って何ですか?
博士: わかり難いんだけど、妖術の呪文では強度(Magunitude)と威力(effect)が別の概念として分離されていて、どれくらい有効な呪文かを示す威力(effect)は〈妖術:魔導書〉の技能値で決まることになったんだ。例えばテレポート(Teleport)の呪文では妖術技能 10% ごとに SIZ 3 までを転送できるとか。
操作(Manipulation)技能 [INT+POW]
妖術呪文は〈操作(Manipulation)〉と呼ばれる技能でその特性を変化させることができます。一つの技能で全ての妖術呪文に対して全て種類の操作が行えます。操作技能は直接ロールして判定することはありませんが、合計でその1/10(端数切り上げ)だけの操作が行えます。
誠二: 妖術の醍醐味の操作ですね。操作技能も一つにまとめられたんですね。便利過ぎないかな?
博士: ここは逆に一つにまとめられたことによって、成長に上限が出ててきて呪文の使い方により深みでてきてるよ。
トリ: そうなんですか?
博士: MRQ1で〈操作:持続時間〉60%、〈操作:距離〉50% を持っていた場合には常に持続時間6、距離5倍で全ての呪文を投射できたんだけど、MRQ2 では〈操作〉90% を持っていたとして距離 9 で投射する持続 9 にするのか、または強度 4、距離 2、時間 3のように分割するのか等を考える必要が出て来るんだ。
ゆき: なるほど、面白そうですね。
妖術呪文の獲得
妖術を使用するためには魔導書(grimoire)にアクセスできる必要があり、それが書かれている言語が読める必要があります。1週間静かな場所で研究して成長ロール 2回を消費することにより高等技能として〈妖術:魔導書〉技能を初期値[INT×2]で獲得できます。
さらに一週間の研究と成長ロール2回を消費することにより魔道書に記載されている呪文を一つ使用できるようになります。
誠二: 妖術呪文の獲得はあいかわらず大変ですね。
博士: まあでも必要な技能は激減しているので成長は前よりかなり楽なはずだよ
トリ: 魔導書に載って呪文の一覧とかはどうなってるんだろ
博士: 一般に妖術カルトごとに自分たち専門の魔導書を一つ以上持ってるんだ。でその魔導書に載っている呪文の種類とか数とかはカルトの性質や大きさによって異なってる。
トリ: 使えるのは自分のカルトの魔導書だけですか?
博士: 妖術師は入手さえできれば自分のカルトの以外の魔道書を学習することもできるんだけど、非常に厳重に保管し護られているので他のカルトの魔導書にアクセスすることはほぼ不可能な感じだ。
妖術呪文の記憶
魔導書は非常に貴重で外部に持ち出すことはできないため、呪文を使用するにはそれを記憶しておく必要があります。キャタクターは最大で INT 個までの呪文を同時に記憶できます。記憶した呪文を忘れて魔導書の別の呪文と入れ換えるには 1D6 時間かかります。
博士: RQ3 の Free INT のようなものはないので INT いっぱいまで呪文を覚えても問題ないはず。
ゆき: 1つの〈妖術:魔道書〉技能で複数の呪文が使えるようになったんで、どの呪文を覚えておくか悩ましいですね。
妖術呪文の使用
妖術呪文を使用するためには両手で動作ができなければならず、呪文を詠唱する必要があります。妖術呪文を投射すると音や光が出るため周囲の者はそれに気付きます。
呪文の投射には〈妖術:魔導書〉技能で判定します。成功した場合には呪文操作の種類ごとに 1 MPが必要になります。ただし操作を行っていなくても最低 1 MP が必要です。投射判定にクリティカル成功した場合には MPを消費しません。判定失敗した場合には 1 MPを消費します。ファンブルした場合には成功と同じ MPが無駄になります。
誠二: さすがに MP 0 で呪文が使用できるルールは改訂されたみたいですね。
博士: それでも少い MP で強力な呪文が使用できるのは妖術の特徴だよ。技能の高い妖術師は手がつけられない。
妖術呪文の詠唱時間
妖術の呪文の詠唱には使用した呪文操作の種類ごとに 1回の戦闘行動(CA)が必要になります。ただし操作を行っていなくても最低 1行動かかります。呪文の詠唱中は通常の半分の速度でゆっくり歩く以外は何もできません。詠唱中にダメージを受けた場合には集中を維持するために〈精神抵抗(Persistence)〉に成功する必要があります。
誠二: 操作の種類を増やすと詠唱に時間がかかるんですね。少し悩ましいな。
ゆき: 戦闘中の操作は 1種類か 2種類に押さえた方が無難かもですね。
妖術呪文の消去
共通魔術と同じように自分の投射した妖術呪文は 1戦闘行動(CA)を使って消去することができます
ゆき: 他の魔術と全く同じです。わかり易いです。
妖術への抵抗
妖術の呪文の中には〈避け(Evade)〉、〈精神抵抗(Persistence)〉、〈肉体抵抗(Resilience)〉などの技能で抵抗できるものがあります。それらの技能で呪文投射のロールに対して対抗判定(Opposed test)を行って勝利した場合は呪文の効果を避けることができます。
トリ: ここも他の魔術と同じですよね。
強度(Magnitude)操作
操作されていない妖術(Sorcery)呪文の強度(Magnitude)は 1 です。この操作 1段階ごとに強度が +1 されます。妖術の強度は呪文が魔法障壁を突破したり消去されるのに抵抗する場合にのみ使用し、呪文の威力には影響しません。
博士: 操作されていない妖術の強度は常に 1 なので、非常に消去されやすいし、魔法防御を突破すらできないんだけど、この操作によって強化できます。
ゆき: 呪文の威力の方は操作に関係なく〈妖術:魔導書〉技能の方を使うんでしたね。
博士: そう。だから技能を伸ばさないと呪文の威力(effect)は上がらない。
誠二: MRQ1 だと〈操作(強度)〉を上げるだけで全ての呪文が恐しいことになってましたからね。
距離(Range)操作
操作されていない妖術呪文の到達距離は全て接触(Touch)です。操作を行うことで以下の表のように距離が増えていきます。
操作段階 | 距離 |
---|---|
0 | 接触 |
1 | POW×1m |
2 | POW×5m |
3 | POW×10m |
4 | POW×50m |
5 | POW×100m |
6 | POW×500m |
7 | POW×1km |
8 | POW×5km |
+1ごと | +POW×5km |
誠二: 距離が接触のみではつら過ぎるので、この操作は必須ですね。
ゆき: MRQ1 では線形にしか伸びなかったんだけど、今回は5倍、2倍で増えているので効果が大きいですね。
トリ: 〈操作〉90% あると到達距離が POW×10 km か。怖いすね。
持続時間(Duration)操作
操作されていない妖術呪文の持続時間は POW分です。操作を行うことで以下の表のように持続時間が伸びていきます。
操作段階 | 持続時間 |
---|---|
0 | POW分 |
1 | POW×2分 |
2 | POW×3分 |
3 | POW×4分 |
4 | POW×5分 |
5 | POW×6分 |
+1ごと | +POW×1分 |
ゆき: こっちは線形で倍々に増えていた RQ3 の頃に比べると控え目なままですね。
誠二: 持続2週間とかできないのは残念ですね。普通に使うんだと MRQ はもともと1分が12ラウンドあるから POW分もあれば操作しなくても十分だったしますけどね。
トリ: 〈操作〉90% あると POW×10 分で 2時間前後か他の魔術に比べれ十分怖いですね。
目標(Target)操作
操作されていない妖術呪文は目標は 1体限定です。操作 1段階ごとに目標数を 1体増やすことができます。投射に成功した場合には目標全てに同じ呪文がかかります。
ゆき: 操作技能が十分に高ければ味方全員や敵全員に一度に呪文をかけれるということですね。強力だ。
博士: 目標数を増やすとその分使用できる操作が減るので距離とか強度に使える操作が足りなくなるので敵全員にかけるのは難しいかもしれないけどね。
合成(Combine)操作
合成操作を行うことにより複数の種類の呪文を合成して同じ目標に対して一回で投射することができます。合成する呪文一つにつき追加 1MPが必要になります。呪文の投射判定投射には合成した全て呪文の中で一番低い〈妖術:魔導書〉技能を使用し、合成した呪文ごとに −10% のペナルティを受けます。
博士: 妖術の操作の中でも最も強力なのはこの合成だと思うよ。
誠二: そうですね。味方に複数の防御呪文とダメージ強化呪文を同時かけたり、敵を複数の攻撃呪文で同時に攻撃したり、技能高いとやりたい放題です。
ゆき: 《幻覚:視覚》、《幻覚:聴覚》、《幻覚:触覚》を合成して超リアルな幻覚を作ったりしましたね。